転生したら転スラの世界だった！？third (ページ45)

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故郷の味ページ45

良し、はぐらかせた。

大分世間話に花を咲かせて、リムルと一緒に食堂に行った。

朱菜が工房に居て、丁度料理が出されていた。

ここに来るまで手を繋いでいたのだけど、それを偶然朱菜が見て──。

あ。

これは一言じゃ終わらない大惨事になりそう。

どうしよう、と焦った私の予想に反して、朱菜は興奮気味に言った。

朱「や、やはり……リムル様とA様は恋仲なのですねっ！！」

はい？

やはりってことは割と前から知ってた？

これに対して、リムルが私の手を堅く握りながら言った。

ﾘﾑﾙ「あ、ああ。ずっと言ってなかったんだけどな」

へへ、改めて言うと照れるな──などと供述しておりますリムルってばもう。

可愛いんだよ、すっごく可愛いんだけど。

は、恥ずかしーーー！！

っていうのが本音だ。

そんな、あえてこんなに人目の多い場所で言わなくても……。

朱菜はにっこり微笑んで……いや、なんていうか、にやけが抑え切れないといった感じだ。

朱「そうならそうと、あの時言って下されば良かったのに！」
ﾘﾑﾙ「はは、ごめんって」

私を置いて、二人で会話が弾んでいる。

馴れ初めはとか、どっちが先に告白し(いっ)たのかとか。

ええ……？

思ってたのと違う展開になった。

いつの間にか他の魔物たちも集まって──ってちょっと待った！？

まさかリムルの迂闊な発言一つで、食堂に大きな騒ぎが起こるなんて。

………………。

…………。

……。

さっきまでの騒動をなんとか収めた後、ようやくお昼にありつく頃には、ミリムも一緒だった。

ﾐﾘﾑ「うおおーーっ、美味しいのだ！かれーらいすって奴は、ワタシは大好きなのだ！
　勿論蜂蜜が一番だがな！リムルにAよ！一緒に食べるのだ！」

その言葉で、私も椅子に座って食べる。

熱さとともに広がる果実の甘み。

調理によって果物の酸っぱさが緩和されて、絶妙な甘口だ。

お米は今後に期待するとして、本当に美味しい。

朱菜の手腕と皆の努力の結晶なんだよな、これが。

私はというと、実は少しだけ知っているレシピを参考に教えただけだ。

文字通り一から作るのに、一役だけ貢献したんだよね。

スパイスから作るお父さんのカレー、教わっておいてよかった。

朱「A様、もしこの後お時間あれば、新しい料理のご指導をお願いしたいのですが……」
『うん、わかった。今からでも？』
朱「勿論ですわ」

リムルとミリムに待ってるように伝えるのも、勿論忘れない。