転生したら転スラの世界だった！？third (ページ37)

今日:15 hit、昨日:11 hit、合計:101,347 hit

冷たいのに温かいページ37

安堵からか、私は魔国連邦(テンペスト)に着いたと思った瞬間に、力無く座り込んだ。

それでリムルが心配するけど、中々立てない。

こうして冷静に考えられて居るけど、精神的には、思ったより挫かれて居たみたい。

意識もしていないのに、目から涙が溢れ出す。

目の何処かが切れてしまったみたいに、止め処なく私は顔を濡らす。

手枷を外してくれたのにも気付けずに、涙を拭うので一杯一杯だった。

エトワールも、私の涙を舐めて居るけど、それでも追い付かない。

すると、ふわりと包まれた。

リムルが、私を抱き締めて、優しく言ってくれた。

ﾘﾑﾙ「もう大丈夫だから、な？」

一層安堵が増す。

小さい頃以来だったかな。

私は無意識にリムルを抱き返した。

張り詰めが緩んで、うわっと泣きはらした。

リムルは、私の頭をポンポンと撫でていてくれた。

その手はひんやりとしていたけれど、今は、とても、とても温かかった。

私が落ち着くまで、ずっと抱き締めてくれて居た。

何時までそうして居たんだろう。

大分涙を枯らして、ようやく私は落ち着きを取り戻した。

ぼんやりと私を繋いでいた鎖を見つめているリムルに、お礼を言う。

『ありがとう、リムル。』

助けてくれた事と、私が落ち着くまで一緒に居てくれた事。

他にも意味はあるけど、その一言で済ませる。

私の言葉で、リムルは呆れた眼差しを向けてきた。

ﾘﾑﾙ「後でこうなった事の経緯を聞かせて貰うぞ」

何処かムッとしていて、悔しそうで、断らせない雰囲気を醸し出していた。

『わかった』

まあ、色々伏せさせて貰う事もあるけどね。

リムルは私の手を取ると、街の中心へと私を導いて行くのだった。