転生したら転スラの世界だった！？third (ページ27)

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返事の裏側ページ27

真っ直ぐな告白に、じっとしていられないような嬉しさがこみ上げる。

ﾘﾑﾙ「──俺と、付き合ってほしい」

いつも見せない類の格好良さに、どぎまぎしてしまう。

こうやって改めて言われると、気を抜いたら舞い上がりそうなくらい嬉しい。

けど、私には一つ、避けられない懸念があった。

本音を言えば、今すぐ喜んでって言いたい。

それができないのは、その返事が今後に影響するかもしれないからだ。

どうしよう。

ここで断ってしまえば、私もリムルも辛くなる。

無かったことにもできそうではあるけど……どちらにせよ、気軽に会える関係ではなくなりそうだ。

かといって簡単に頷けば、予想もできない事態を引き起こすことになるかもしれない。

どう答えるのが正解なの？

そんな私の問いかけに、どこか躊躇いがちに答えてくれる存在が。

《……解。問題ありません。何故なら──》

ふんふん、なるほど。

……え、ということは、つまり──！

『希願之王』のこの説明が、私の迷いを一つだけ晴らしてくれた。

思わぬ吉報に、鳴りを潜めていた喜びが再燃する。

『…………私でよければ』

こらえきれなかった笑みがこぼれたままに、彼に返事をする。

ﾘﾑﾙ「……じゃあ、よろしくな」

まだ少し恥ずかしそうなリムルが、照れ隠しかそう言った。

『……うんっ』

それに乗っかるように、私も言葉を返す。

ふわふわとした満たされた気持ちで、暫くお互いに見つめ合っていたと思う。

《……告。抗魔の仮面の装着を推奨します》

一気に現実に戻ってきたのは、『希願之王』に声をかけられたからだ。

そっか。

うん、分かってる。

『そろそろ、出発するね』

頭に上げていた仮面をつけながら、私はそう宣言する。

名残惜しいけれど、さっきから自分でも、魔素量(エネルギー)の高まりをひしひしと感じていた。

それにまだ、私を探る誰かの追っ手は振り切れていない。

一ヶ月というのは長くて、最後に町を見た時よりも見違えるほどに発展している。

あまりにも居心地よくなりすぎて、これ以上滞在したら出られなくなりそう。

だから、行かなきゃ。

ﾘﾑﾙ「なあ。やっぱり、Aも魔国連邦(ここ)に──」

私が離れがたいと思っているのがばれたのか、リムルが言いかける。

最後まで聞かない為に、行動で無理矢理遮った。

できる限り優しく抱きしめてから、そっと離れる。

『行ってきます』

その返事を待たないで、私は再び旅立った。