転生したら転スラの世界だった！？third (ページ20)

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あっさりページ20

リムルside

澄んだ金属の重なり合う音が響き渡る。

俺の刀の一撃は軽々とガゼル王に打ち止められた。

やはりと、俺は確信した。

生半可な打ち込みじゃ、意味が無い。

寧ろ、押し返された。

それに、何よりイラッと来たのが…

ガゼル王、一歩も動いて無い。

すると―――――。

カチリ。

体が動かなくなった。

嘘だろ！？

《解:個体名:ガゼルの『英雄覇気』の効果です》

ど、どうしよう、『大賢者』！

《解:気合いです》

へ？

気合いだぁ！？

こんな頼り無い返事初めてだ。

だが仕方無い！

ﾘﾑﾙ「う、うおおおおああああああ！！！」

雄叫びをあげて、『大賢者』さんの通り気合いで何とかしてやる！

パッと、体が動くようになった。

ﾘﾑﾙ「…解けたぜ」

内心ドヤァっとしていると、ガゼル王からは想定内だった事が判った。

ｶﾞｾﾞﾙ「それでいい」

そう言ったからだ。

ガゼル王が剣を構え直した。

あの構えは、確か…。

見た事があるような…？

すると、ガゼル王が、消えた。

『魔力感知』にすら引っかからなくなってしまった。

俺は、咄嗟に白老に言われた事を思い出していた。

剣の声を聴く。

そんなまさか、と思いそうだが、今は頼るしか無い。

一瞬で、危険を感じた。

思わず、体を後ろに後ずさらせた。

そのすぐ目の前を、剣が通り過ぎて行った。

次が来る！

直感的に感じたそれは、見事に当たっていた。

刀を上に掲げて、頭を下げる。

直後の事。

キイイィィィ――――――ン！

そんな甲高い音を響かせ、刀と刀が、十字に重なり合っていた。

ガゼル王がいきなり笑い出した。

ｶﾞｾﾞﾙ「わはははは！俺の剣を受け止めよったわ！」

え、ん？

ゆっくりと刀の十字が崩された。

勝った、でいいの？

ﾄﾚｲﾆｰ「そこまで！勝者、リムル=テンペスト！」

やっぱり勝ったのか。

俄かに信じられないけど、そうなんだな。

こうして、あっさりと勝敗が決まったのだった。

だが…

問題は、勝敗が決まって直ぐに起きたAの事だ。