転生したら転スラの世界だった！？third (ページ15)

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悪戯ページ15

“俺は笑ってるAが好きだよ”

あの言葉が脳内で木霊する。

あの日、あの時、あの瞬間。

前世のことが、少しだけ気にかかった。

昔、同じような事を言われたから。

時々、冒険中に思い出したりして、魔物の対処が遅れたりした事もあった。

勿論カバル達が心配して、冒険を諦めた事もあった。

一ヶ月に一度は帰る。

これは今でも守ってて、今月も帰る日が来た。

『と言う訳で、私は帰るね！』

ニカッて笑って、カバル達に言う。

カバル達からは一大勢力を一時的に失う事になるから、名残惜しそう。

ｴﾚﾝ「Aちゃんが居ないと寂しいわよぉ……」
ｶﾊﾞﾙ「仕方ねえって、一回帰って来てから冒険中不安定だろ？第一Aさんは子供。
　休む時間だって俺達より必要だろうよ？」

最後の、子供が余計だぞ。

それに今回は早めに行かないと、彼奴が来るだろうし。

一応重要だからね。

仕事は終わらせないと。

『じゃあね！』

リムルから貰った服に着替える。

街に帰る時は、この服にする。

冒険する時だと、朱菜に織って貰った戦闘用服とか、シズさんの服の方が動きやすいし。

そうなると、これを着る機会が無いから、街限定の私服、みたいな感じだね。

何時ものように、一瞬で『影移動』で移動する。

今日は紅丸の影を使わせて貰った。

さっと出て来た時、凄いびっくりされた。

でも、また一ヶ月振りの街、紅丸とも久し振り。

驚いた様が面白かったから、少し悪戯してみよう。

『ごめんごめん、これで許して！要らないなら朱菜に渡してね！』

にっこりと笑いながらそう言って、魔素で作った人参を手渡す。

頭に“！？”が乗っているけど、放置。

必ず自爆するからね。

近くに居た蒼影は私が何をしようとしているか解ったみたい。

ただ、黙って紅丸の手にある人参を見つめてる。

さて、次は朱菜の所に行こうっと。

笑顔のまま、私は朱菜が居ると思う場所へと向かうのだった。