転生したら転スラの世界だった！？third (ページ11)

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脱出！ページ11

少しお腹が減ったから、食堂に向かった。

そこには、ばったりと倒れた紅丸が。

『ああ、可哀想に』

面白いとか思ってない。断じて。

でも、ここに居るって事は……。

紫「A様！？帰って来られたのですね！」

遅かった！

『ああ、う、うん、ただいま、紫苑？』

ぎこちなく返す。

そしてとんでもない事に……。

紫「はい！お帰りなさいませ！A様！」

なる前に、私が料理を振る舞ってみよう！

『ねえ、良かったら私の料理食べてみない？』

その言葉にぱああっと紫苑が目を輝かせた。

紫「はい！是非！」

よしよし成功。

『紅丸君もどうかな？』

紫苑の料理食べさせたままじゃ、可哀想だし。

すると、がばっと起き上がって、紅丸が早口で言った。

紅「勿論です、A様」

相当欲しそうだね、だったら甘いのでも作るかな？

『じゃあちょっと待っててね？二人共』

座るように促して、私は調理場に行く。

甘い物…何にしよう？

カステラとか？

うん、カステラでいいや。

『妄想者』で作っちゃおう。

この世界のパティシエさんには悪いけど、ぱぱっと作る。

今回は魔素で作ったから、その分二人の魔素を回復出来る筈。

最近知ったけどね。

『お待たせ～！』

そう言いながら、二人の前にカステラを乗せたお皿を置く。

二人の目が輝いた。

紅「A様、これは…？」

恐る恐る聞いてくる紅丸に、サラッと答える。

『カステラだよ、お菓子』
紫「お菓子！」

お菓子のワードに、二人が身を乗り出してカステラを見てる。

特に紅丸。

私と同じ甘党だから、紫苑以上に食べたそう。

『……食べていいよ？』

なかなか手を付けないから、そう言って見た。

何という事でしょう。

瞬く間にカステラが消えちゃいました。

一部分だけ。

紫苑「美味しいです！A様！」
紅「これほどの甘味がA様の世界に…」

羨ましそうな紅丸君、だけど、まだ行けないでしょ。

さて、紫苑の料理は回避したし、そろそろ行こうかな？

『じゃあね！』

そう言った瞬間、紅丸がもっと欲しそうに私を見ていた。

口には出してないのに伝わってくる。

仕方ないから、紅丸の周りの空気を固めて巨大カステラを作ってあげた。

暫く呼吸きつそう。

紫「紅丸だけずるいです！」

紫苑も強請ってきたので、紫苑にも大きめなカステラを作ってあげる。

これでもう大丈夫かな。

さて、白老の場所にでも行って、世間話兼腕前確認しに行こう。

ただいまも言っておかないとね。