転生したら転スラの世界だった！？third (ページ2)

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狩猟犬(ハウンドドッグ)が動き出すより先に、その首を刎ねた。

ちょっと罪悪感を覚えながら、私はジーギスさんに言う。

『次をお願いします』
試「お前、本当に初心者か？」

あれ、そんな事用紙に書いたっけ？

『戦ったことがないなんて言ってませんよ。それは置いといて、お願いします』

手持ちのお金は少ないし、カバル達が帰ってくる前に終わらせたい。

今度は狩猟狼(ハウンドウルフ)。

……エトワールと重なって倒しづらい。

せめて早く終わらせよう。

それでも気が引けてしまうのは、エトワールを象ったような姿なのが悪い！

早速直刀を片手に、狩猟狼(ハウンドウルフ)に近付く。

私が振りかぶった次の瞬間には、狩猟狼(ハウンドウルフ)を無力化した。

『次、お願いします』

正直、私も自分の身体能力にはびっくりだ。

この調子のまま順調に資格を上げていく。

巨大熊(ジャイアントベア)も切り捨てて、数匹の吸血蝙蝠(ジャイアントバット)は『熱波』で燃やした。

周囲は、この快進撃を前に静まり返っていた。

次はBランクだ、後少し。

試「まさかここまでとは……次は強敵だぞ、準備は良いか？」
『はい、始めて下さい』

試験官が最後の敵を召喚した。

おおお、これは……。

試「そいつは下位悪魔(レッサーデーモン)！単純な物理攻撃は通用しないぞ！
　ギブアップなら早めに言えよ！」
『……大丈夫、やりますよ』

私の直刀に、炎が宿る。

リムルがやっていた黒炎の要領で、シズさんみたいに。

一瞬で下位悪魔(レッサーデーモン)との間合いを詰めて、その直刀で一閃する。

焼き切って燃やし尽くす──そんなイメージを浮かべたのだけど、案外あっさりだ。

『これで終わりですよね』

その言葉で、歓声が湧き上がった。

「すげぇよ嬢ちゃん、有言実行、格好良いぜ！」
「今日から俺達のパーティに入ってくれ！」
「ちょっと仮面取って顔見せてよ！」
「馬鹿ッ！！隠してる理由くらい察しろ──」

瞬間、周りの空気が冷え切った。

私じゃないよ？

歓声の中にいた、主に女性陣から発される圧のおかげで。

『……それでジーギスさん、私は合格ですか？』
試「あ、ああ。文句無しの合格だ！」

そう言って握手をしてくれる。

私の時も下位悪魔(レッサーデーモン)呼び出すなんて思ってなかった。

確か、カバル達三人でも勝つのが難しいはずなんだけど……。

──こんな風に、私の試験は終わった。