転生したら転スラの世界だった！？番外 (ページ10)

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危険飲酒ページ10

それは、リムルがミョルマイルと対談している時の事。

私は少し、飲酒をしてみようと思った。

大人になったら、やってみたかったことなんだよね……！

『希願之王』の反対を押し切って、私は席に付いた。

ほんの出来心であって、そこまで深く考え無かった。

折角高そうな酒屋さんに来たんだ、少し位味わってみても文句は出ないでしょ。

ただそれくらいのノリで。

『お姉さーん！このお酒下さい！』

お姉さんは私の声ににっこりしながら頼んだお酒を注いだ。

果実酒の、一番度数が低いもの。

グラスを傾けて一口飲んでみる。

あれ、意外といける？

わりと耐性がありそうだし、思い切って強めの物を飲んでみよう。

さっきのとは二倍の度数だ、酔わない筈が……ない。

意を決して、ぐいっと飲み干す。

余りの衝撃に、唖然とした。

二桁の度数を飲んで、美味しいとさえ感じる自分にも。

この酒屋さんではこれが一番強いみたいだから、もう少し飲んでみよう。

……リムルが居合わせてないことに申し訳無さを感じつつ。

どれくらいが限界なのか知りたい。

貰ったそばから一口、また一口、そんな事をぼんやりと考えた。

私が強かったら、色んな人と話が弾みそうだなあ。

半分目を閉じて、ただ目の前を見つめると、自然と笑いが込み上げて来た。

『ふふ……』

果実酒って飲みやすいのかなあ。

頭では考えられるのに、笑いは止まらない。

周りからは、私がお酒を飲んでニコニコしている人としか思われないだろう。

自慢じゃないけど、背丈はあるし。

──とりあえずこの笑みを止めたくて、残ったお酒を飲みきった。

ﾘﾑﾙ「おい……なにやってんの？」

あ。

『リムル、話は終わったの？』

笑みが止まらないまま、私はリムルの方を向く。

腕を組んで、私のようにニコニコでこっちを見ていた。

どうしよう、何言っても笑っちゃう気がする。

さっきからリムルは笑えない笑顔だし……。

ﾘﾑﾙ「随分と楽しそうだね？」
『ふふふ』

駄目だ、もう何にも言えない。

何が楽しいのかわからないけど、面白くなってリムルの両手を握った。

ﾘﾑﾙ「……話は後でな」
『うん』

あ、今一瞬揺らいだな。

どっかでそう思ったあと、迷いなく帰路についてしっかり怒られた。

飲酒をする、その願いはちゃんと叶えた。

『希願之王』さんの遠回しお説教を長々と聞いた後、暫く口を聞いてくれなかったけど。