転生したら転スラの世界だった！？番外 (ページ9)

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秘密のデートページ9

リムルside

今日も、授業が終わった。

Aとの約束の日だ、きっと俺達の部屋で待ってるんだろう。

付き合い始めてこのかた、恋人らしき事なんてしていないし、ここぞと俺が誘ったのだ。

超頑張った俺、滅茶苦茶頑張ったよ俺。

もう半分のスライム生分の勇気使ったんじゃなかろうか。

とっとと残った仕事を終わらせて、早くAと出掛けよう。

そう思って、教卓の紙を片付けると、俺は足早に部屋へ向かう。

扉を開けて見れば、俺が何時しかデザインした衣服を着たAが座って居た。

『リムル、行こう！』

手を引かれて、俺はちょっと火照ったのを感じた。

誰が好きな人に手を繋げて貰って照れないのだろうか。

まあ、今無意識下に繋いだAは例外だが。

告白しても動じないのだ、どれだけ恋愛に冷静なんだと思う。

と、そんな呑気な事を考えて居たせいで、Aの手繋ぎが一旦終わってしまった。

俺達が今日来たのは、吉田さんのお菓子屋だ。

あそこのケーキは凄く美味しいからな、絶好だと思って此処にした。

丁度テーブル席を見つけたので、そこに座ってケーキを頼む。

ケーキが来るまで、魔国連邦(テンペスト)の事を話したり、日本の遊びをやってみたり。

頼んだケーキが来た時、恋人同士がやる食べさせ合いっこで楽しんだり。

……そこまでは良かった。

そこまでは良かったんだけど…！

何と言うか、俺はエスコートする側なのに全て看破するようにエスコートして来るのだ。

それも、全て無意識に。

他愛の無い話を咲かせながらも、俺は気配りを忘れて居ない筈なのだけど……。

……まあ、これはこれでありか。

帰りは勿論俺が手を引いて帰って来た。

こんな所を生徒達に見られようものなら、精神的な方でも教師人生も終わりそうだ。

少しだけだったが、人生……じゃない、スライム生初のデートがこれで良かったと思えたのだった。