温厚と鬼と ページ9
勝負は簡単。
ゴブタに面を食らわせて一瞬で終わった。
遡る事、三十秒。
白老の合図からすぐ、今出せるだけの速さで木刀を振り下ろす。
私がここまでの速さを出すとは思っていなかったのか、ゴブタは慌てて影移動で避けようとした。
だけど、重力と共に振り下ろされていく木刀の速さに、なんとゴブタは追い越せず……。
当たる直前で寸止めをはかって、私はなるべく衝撃がいかないように努力しようとして──。
脳天に一撃。
ゴブタは半身が影に沈んだまま止まっている。
……加減、間違えた。
白「終わりじゃな」
そう言って私ににこりと笑いかけてくれる白老。
ただ、私を見終えてゴブタを見る眼差しは、もう鬼そのものだった。
白「お主にはたっぷりと修行を増やさねばのぉ」
ゴブタ「ちょっ!? それだけは勘弁っすー!」
とか会話があったけど、見誤っていたゴブタが悪いから、知らない知らない!
そっと二人から遠ざかって、リムルのもとへ言った。
『そう言えばリムル、蒼影は?』
一応、今どんな進み具合なのかを聞いておく。
これで私の知らない事態になってたらまず大慌てだし、どうにかしなきゃいけないからね。
リムル「ああ、
『いや、聞いてみただけだよ』
すると、リムルが不意に尋ねてきた。
リムル「もしかして、予言の事が関係しているのか?」
最近、リムルが鋭い。
本当に気になっただけなんだけどなあ……先が分かるって知られてると、深読みされそう。
『ううん。見ないから気になったんだよ』
と、ゴブタと白老が近くに来た。
ゴブタ「A様あ……さっきの事謝るっすから助けてほしいっすー!」
リムル「駄目だ」
『やだ』
丁度リムルと言葉が重なったけど、私もこれから訓練に参加する気なんだから。
ゴブタが助けを求めても、私は当分助けてあげられないんだよね。
白「A様、A様は訓練に参加する気ですかの?」
白老が優しく問い掛けてくれた。
こうしてみると、私にすごく気遣ってくれているのが伝わる。
……なんだろう、私のこと孫か何かだと思ってるレベルでは?
ふと心の中でそう思ったけど、余計なこと言ったらまずい気がするので言わなかった。
『勿論。
シズさんの為と言うのは伏せて、快く返事をする私なのだった。
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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時