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素敵なお話 ページ46

ヴェルザードside



ギィが予言者を連れてきた。

その子はAと名乗ったあと、仮面を外そうとしない。

外の猛吹雪の元凶──つまり私──の妖気(オーラ)を真正面から受け、平然としている。

ギィが連れてくるだけあって、なかなか興味深い子ね。

ヴェルザード「私の話し相手になってもらおうかしら」

落ち着いて話をするために、新たに置かれた椅子へ座ることを促す。

『はい、喜んで』

表情は隠していても、緊張しているのが手に取るように分かるわね。

私は名乗っていないけれど、私が誰かを理解している。

ギィ「レオンは呼んでおいたぜ」

予言の事も気になるし、打ち解けておきましょう。

それにしても、この子はギィに頼んでまでレオンに会いたがっていたのね。

わざわざ魔王に会おうとするなんて、何がしたいのかしら。

ヴェルザード「それじゃあ早速ね。A、あなたの事を聞かせて?」

この子はどんなお話をするのかと、話す前からとても楽しみ。

そう、私は楽しみにしていたのだけど……。

『……えっと、ギィ──魔王ギィの仰る通り、私は予言ができてですね──』
ヴェルザード「敬語は外して結構よ、A」
『あ、そうですか? じゃあお言葉に甘えて……』

思ったよりも慎重ね、この子。

私が出会ってきた人間の中で一番かもしれない。

……いいえ、私の知っている人は比較対象にならないわね。

ヴェルザード「それで、予言ができるのでしょう? 十年以内に起こることを何か教えて頂戴」

笑顔で問うと、悩む素振りを見せるA。

『うーん……十年以内なら、なんでも?』

まるで全てを知っているかのような口調。

ヴェルザード「ええ、いいわ」

ますます興味が湧いて、続く言葉を待った。

『──魔王ギィが興味を持つ存在が生まれます』
ヴェルザード「その言い方、もっと詳しく知っているんでしょう?」
『う……魔王レオンも面白いと思うんじゃ、ないかなあ?』
ヴェルザード「うふふ、変な事言うわね。しかも疑問形で」

あはは、と乾いた笑いを取るA。

ヴェルザード「ところで、予言は能力(スキル)の力なの?」

思ってもいないことを口にすると、予想通り乗ってきた。

『え? あ、そう! そうだよ!』

なんだか、頭がいいのか悪いのかわからないわね。

能力(スキル)を使わなかったのはバレバレなのに。

ますます気になるわ。

もしかすれば、この子は──。

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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時

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