初対面 ページ45
連れられてやってきたその場所は、歩く度に靴の音が鳴り響く。
白氷宮は想像よりも、ずっと美しかった。
真っ白で、それでいて蒼く見える。
氷で出来ているのに、あまり寒くもない。
暫く歩いて、ギィが止まる。
その目の前には──。
??「あら。ギィ、本当に連れてきたの?」
白髪の少女が。
ギィ「
ちょっと待った、全然快くはないですけど!?
そう思って睨んでもどこ吹く風なので、仕方なく私も自己紹介する。
『初めまして。A・イザワです』
出来るだけ愛想良く話す。
ヴェルザード「へぇ、私の
あ、やってしまった。
ギィ「見て分かる通り、こいつは珍しい性質でな。大気から魔素を吸うぞ」
私の
増える体質──その本質は、大気中の魔素を吸収し、上限にしていくもの。
普通の魔物は生命力や食事になったりするけれど、私の場合はどちらでもないのに吸収する。
一時的な増加じゃなく、上限が増えるから扱いに困るんだよなあ……。
上限に比例して回復力も上がっていくし、なるべく消費し続けたい理由はそれだ。
ヴェルザード「私の話し相手になってもらおうかしら」
何を思ったのか、私を椅子に座るように促してくれる。
いや、分かってはいるんだよ。
十中八九、私の予言に関してとかなんだろうなあ……。
『はい、喜んで』
少しだけ憂鬱になった気持ちを隠して、いつの間にか用意された椅子へ腰掛ける。
ギィ「レオンは呼んでおいたぜ」
暫く無言だったギィが、レオンを呼んでくれたらしい。
ヴェルザード「それじゃあ早速ね。A、あなたの事を聞かせて?」
幼さの残る可愛い笑顔の裏に、拒否を許さない雰囲気が感じられた。
正直、私はヴェルザードさんの性格はよくわかっていない。
アニメでは未登場だったし、漫画や小説でも十分には見れていないからだ。
あの場面だけでどんな人柄か、見極めるのは至難の業だと思う。
機嫌を損ねて凍らされないように気をつけないと。
ここに来て初の、絶対的安心がない緊張。
幸運が私に傾いてくれることを祈りながら、雑談を始めた。
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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時