検索窓
今日:30 hit、昨日:50 hit、合計:147,045 hit

戦後の会議 ページ40

湿地帯で待っていた鬼人達は、それはもう個性的だった。

原因は、私が旅に出る理由についてリムルが説明したからなんだけど……。

紅丸や蒼影は心配しながらも賛同してくれて、紫苑は泣いて寂しがってくれた。

……抱擁(タックル)付きで。

白老は残念そうにしつつ、笑って送ると言ってくれた。

《解。依然不明です》

未だにそう返ってくる監視の件は、やっぱり誰にも言わなかった。

翌日。

戦後処理の会議が始まる。

トレイニー「では、議長リムル=テンペスト。お願いします」

良かった、リムルだけだ。

出席してくれとは言われたけど、議長やれとは言われてないもんね!

リムルもそれを理解してしまったのか、諦めて話し始めた。

リムル「えーっと、こういう会議は初めてで苦手なんだ。
  だから思ったことだけを言う。その後皆で検討して欲しい」

その言葉に、その場の全員が次の言葉を待つ。

リムル「そもそもの原因は、飢饉による飢餓。
  彼らが森に活路を見出すしか生き残る道がなかったのも確かだ。
  被害の大きい蜥蜴人族(リザードマン)からしたら不服だろうが、
  別の種族だったとしても同様の判断をしていたと思う──」

ここから始まり、リムルの話は続いた。

今更終わったことを論じても意味はないということ。

魔王ゲルドと交わした約束のこと。

リムル「──ということで、俺は豚頭族(オーク)に罪を問う考えはない。
  豚頭族(オーク)の罪は、全て俺が引き受けた。文句があるなら俺に言え」

驚きとともにリムルを見つめる豚頭族(オーク)達。

それを無視したリムルが、紅丸に向かって続ける。

リムル「お前達は里を滅ぼされているが、文句はあるか?」
紅「弱肉強食こそ、俺達魔物に共通する唯一普遍のルールですからね。
  それに、リムル様の決めたことに異論はありません」

他の鬼人達も紅丸の言葉に頷いて、誰も異論はなかった。

蜥蜴人族(リザードマン)からも不満は出ずで、リムルも拍子抜けしたみたいだ。

ただ、ここからが正念場。

首「豚頭族(オーク)の罪を問わぬ。それは良いのです。
  ですが、どうしても確認せねばならぬことが御座います」

首領はそこで言葉を区切ると、真っ直ぐにリムルを見て続きを口にした。

首「豚頭族(オーク)全てを、この森に受け入れろと──そう仰っておられるのですか?」

言葉にすると、本当に現実味のない話。

それをリムルは、鷹揚に頷く。

ジュラの森大同盟→←気持ちの共有



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
137人がお気に入り
設定タグ:転スラ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。