捕食者 ページ29
リムルside
俺は、『大賢者』に戦闘を任せる。
その瞬間、Aの雰囲気も変わった。
そして、髪と瞳が黒くなる。
まるで──
仮面は外していた。
すると、何故か自分の刀をしまい、新たに刀を作り出した。
二本目を作る意味がわからないが、
ならば、Aにも解析するような
出陣前に上着の下に入れていた髪が、背中で流れていた。
先程の攻防で上着から出てしまったようだが、気にする素振りはない。
感情を感じさせない、黒い瞳。
──俺と同じ、
『大賢者』のようなものを持っているのか。
俺の体が、動き出す。
それに合わせるように、Aも動き出す。
ゲルドの腕を『大賢者』が断ち切る。
黒炎がゲルドの再生を止めて、武器をも溶かす。
一方Aは、攻撃の余波を防いだり、援護や囮を徹底している。
攻撃を受けた時、作った刀は毎回砕け散っているが、その度に作り直している。
品質的には、黒兵衛が作った刀と同じなんだが……。
他にも
俺達の
ゲルドが、
それを捕食したら、俺の体がゲルドに掴まれた。
そこを狙い、『大賢者』がフレアサークルを発動する。
数千度で数分間、これは流石にいけるだろう。
──炎が消えたとき、残っていたのは、ゲルドとA、そして俺。
つまり、効いていなかった。
『大賢者』の切り捨てた可能性。
極小確率が、実現してしまったのだ。
ゲルドが、炎への耐性を獲得していた……。
そうだろうと、思ったよ。
《! 至急、再演算を行い──》
交代だ、『大賢者』。
お前のお陰で、こいつの倒し方が分かった気がする。
次は俺の番だ。
期待してくれよ、相棒!
俺に、
結界を通り越してくる不快感。
そうだよな、俺を喰おうってのか。
腐食で溶けていくようにしながら、俺もゲルドを食い始める。
気付いた時には、もう遅い。
それは、スライム本来の戦い方。
ゲルドは引き剥がそうとしているが、こうなってはどうしようもない。
俺の勝ちだ。
そう、確信した。
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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時