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予言の範囲 ページ11

リムルside



ゴブタ「あ、あれえ? もう終わってるすか?」
紅「少しは残しておいてくれよ……」

そんな声が聞こえるが、俺は迷わず蒼影の所へ向かう。

その手元には、豚頭族(オーク)に襲われていたという親衛隊長らしき蜥蜴人族(リザードマン)

俺が近付いていくと同時に、蒼影が言った。

蒼「かなり重傷のようです」

本当、蒼影ってクールだよな。

羨ましい……!

そう思ったものの顔には出さず、俺が持っている回復薬を親衛隊長に飲ませる。

最初はせき込んで飲まない様子だったが、俺が回復薬だと言うと、大人しく飲んでいた。

ぶっかければよかったかな。

見る見るうちに傷が回復して、親衛隊長はとても驚いているようだった。

親「あ、貴方は……?」

戸惑いながら名前を聞いてくる親衛隊長に、俺は名前を教える。

リムル「俺は、リムル=テンペスト」

そう言って数秒──親衛隊長は弾かれたように土下座をし、あることを頼み込んできた。

親「お、お願いが御座います! 我が父と、兄たるガビルをお救い下さいませ!」

その様は、まるで俺達に縋るようなものだった。

リムル「ガビルの妹なのか?」

と問うと、親衛隊長ではなく、Aが答えてきた。

『ガビルが暴走して、首領を幽閉したんだ。豚頭帝(オークロード)の強さを見誤ってるんだよ』

どうやら図星だったようで、親衛隊長も驚きすぎて声が出ない様子だ。

俺も初めて聞いたその事実に、半ば呆れた。

リムル「なあA、その様子だとさ……」
『……うん、そうだよ』

嫌なことを聞いた。

ガビルはあの能力(スキル)をまだ知らないんだ。

親「貴方は?」
『私はA・イザワ。しがない人間だよ』

Aも名乗ると、事前に蒼影から聞いていたのだろうか──再び深々と頭を下げた。

親「よ、予言者様……これから先、蜥蜴人族(リザードマン)はどうなるのでしょう……?」

親衛隊長が恐る恐るAに聞く。

そしてその答えは──。

『私の分かる範囲なら……これ以上悪化はしないよ』

うーん、つまりは、蜥蜴人族(リザードマン)にとっては今が大凶ってことか。

それにしても、だ。

リムル「Aは一体、どこまで知ってるんだよ……」

俺の本音が、ぽつりとこぼれる。

これは味方の状態だからありがたいけど、敵に回ったら間違いなく脅威だ。

どうあっても手放してはいけない。

……その中には、確かに俺のエゴも存在した。

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くろわっ(プロフ) - AIさん» いつもご愛読ありがとうございます!とても嬉しいです!もう3に行きそうですが、これからも宜しくお願いします! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
AI(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます!これからも頑張って下さい! (2020年8月16日 14時) (レス) id: 70828d2268 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くろわっ | 作成日時:2020年7月9日 16時

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