見上げた慢心 ページ47
何でこんな事になったんだろう。
リムルに対応するように促されて、渋々ガビルを相手にしてるけど──。
実際にこの立場になってみて、改めて腹が立つ。
なんて言えばいいかな、こう……ダイレクトに相手の感情が伝わってくるというか。
私ってこんなに短気だったっけ、と自分で思うほど熱くなりかけている。
実力も測らない状態でリムルに向かって弱いだなんて……。
私に関しては、この中で一二を争う弱さかもしれないけどね。
怒っちゃ駄目だ、今私が怒ってもそんなに効果はない。
そう思っても、私はガビルの発言の度に、確実にイライラしている。
ｶﾞﾋﾞﾙ「やれやれ、皆まで言わねば分からぬか」
『……いえ、
危ない危ない。
すんでで大丈夫だったけど、もう少し抑えないとな……。
ガビルも、人間の私にそう言われると思っていなかったらしい。
ｶﾞﾋﾞﾙ「ほ、ほう？ 人間の分際で、よくもそんな事が言えよう。
どうせあのスライム同様に下等だというのに」
この言葉にリムルも怒った……お、ちゃんと我慢してる。
私も歴史を出来るだけ変えないように頑張らなきゃ。
そう思った瞬間にガビルが、悪気なく私の予想にない発言をした。
ｶﾞﾋﾞﾙ「だが、他の者より良い素材の物を着ているではないか。もしや、貴殿がここの主か？
主はスライムだと言うのは、貴殿の偽りなのだな？
そう言えば、ここには牙狼族を支配する者がいるとな。
そいつは幹部に引き立ててやろう。連れて来るがよい」
『……はあ』
抑え込んでいた黒い感情が、私の声色を低くした。
よくもまあ、そんな風に考えが及ぶものだ。
リムルが私の変化に気付いて、ランガを呼んでいたことにも気付かなかった。
私の目の前に、リムルに頼まれたランガが立ち塞がる。
ﾗﾝｶﾞ「A様、お待ちください」
『でも──』
先のことは今は忘れて──そう思った矢先、リムルから制止の声が掛かった。
ﾘﾑﾙ「A！ ここはランガに任せてくれ！」
許さないって思っていたけれど、張本人がそう言うので大人しく引き下がる。
私がリムルの隣に立った時、リムルに宥めるように言われた。
ﾘﾑﾙ「気持ちは分かるけど、今回はさ……」
小声だったけど、はっきりと聞き取った。
リムルだって怒ってただろうに、そういったところが私より大人だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 213人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「転生したらスライムだった件」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くろわっ(プロフ) - ビアンカさん» はい！精一杯更新させて頂きます！紅丸sideを作ってみたのですが、どうだったでしょうか？オークロード編の戦いは、続編までお預けになりそうです…ですが気長に待って頂けると幸いです！ (2020年7月3日 20時) (
レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - お返事ありがとうございます！頑張ってください！ (2020年7月3日 19時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！蒼影と紅丸ですね！わかりました！オークロード編位に、それぞれのsideを作ってみようと思います！リクエストありがとうございました！ (2020年7月1日 20時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっても面白いです！頑張ってください！応援しています！あと、私はソウエイとベニマル推しなので、増やしていただけたらありがたいです…( 〃▽〃) (2020年7月1日 20時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！更新を再開したので、是非見ていただけると幸いです！ (2020年6月28日 19時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くろわっ | 作成日時：2020年6月1日 12時
