夜風に吹かれて ページ39
ついに宴会が終わって、皆が寝静まった頃。
私はなかなか寝付けずにいた。
リムルがあんまり楽しそうに聴いてくれるから、覚えている限りを歌ったつもりだ。
あんなに大きく歌ったのは久しぶりで、正直私も驚いていた。
まだ楽しかった余韻で目がさえているし、熱を冷ますために風にでも当たろう。
最近作ってもらった私用の安易テントから出て、行く当てなく歩き始める。
すると、
赤髪も寝付けなかったのかな？
『こんばんは。眠れないの？』
赤「A殿もか？」
何か理由があるとすれば……ああ、配下のお誘いか。
自分達の命運がかかっているから、迷って当然だよね。
自分の中の感情と理性。
彼はどっちがどっちか分別できていて、その上で葛藤している。
その状態で、誰にどちらが正しいかと言われても、本人たちが一番分かってるはず。
『私から言えることは何もないよ。貴方と妹さんについて行くって、貴方の仲間が言ったなら』
下手なことは言えない、けど、正しい選択をする事を祈った。
赤「……流石予言者と呼ばれるだけあるな。敵わないお人だ」
おっと、このことは赤髪と青髪しか知らないんだっけ。
それにしても、そんな風に思われるとは……。
予言者って呼んだのは、リムルとかだけだし！
《告。それに乗って自ら名乗ったのは
……それ、分かってても言わない事だよ？
《謝。善処します》
分かればいいのだ、『大賢人』さん。
あ、そうだ。
『……今なら誰も聞いてないよ、思ってること全部言っても』
これを言ったからには長くなると思って、『妄想者』で毛布を作って手渡す。
聞くだけなら、この先が変わったりはしないよね。
赤「……そうか、考えを整理するにはもってこいだな」
それを皮切りに、お礼を言って毛布をまとった赤髪がぽつりぽつりとその内側を吐露する。
その全てを耳に入れ、夜風に吹かれながら私が相づちを打つ時間が過ぎた。
同じ話を何度もしたのは、その行き場のない感情が原因なんだろう。
何時間後か、少しばかりすっきりした顔になったのを見計らって、私は声をかける。
『冷えてきたね。そろそろ眠れそう？』
赤「ああ。遅くまですまない」
『うーん……私は何も聞いてないよ』
赤「！ そうだったな」
正直なところ、私は既に限界だ。
気を抜いたら倒れそうなほど眠い。
おやすみ、と互いに挨拶をして、私はその背中を見送った。
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くろわっ(プロフ) - ビアンカさん» はい！精一杯更新させて頂きます！紅丸sideを作ってみたのですが、どうだったでしょうか？オークロード編の戦いは、続編までお預けになりそうです…ですが気長に待って頂けると幸いです！ (2020年7月3日 20時) (
レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - お返事ありがとうございます！頑張ってください！ (2020年7月3日 19時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！蒼影と紅丸ですね！わかりました！オークロード編位に、それぞれのsideを作ってみようと思います！リクエストありがとうございました！ (2020年7月1日 20時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっても面白いです！頑張ってください！応援しています！あと、私はソウエイとベニマル推しなので、増やしていただけたらありがたいです…( 〃▽〃) (2020年7月1日 20時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！更新を再開したので、是非見ていただけると幸いです！ (2020年6月28日 19時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろわっ | 作成日時：2020年6月1日 12時
