新しい名前 ページ17
シズさんは快く一緒に来てくれた。
簡易テントに行く途中、シズさんが話し掛けてきた。
ｼｽﾞ「乃愛さんは名乗らないの？」
そうだな……。
あの道路で、私という人生は終わったんだと思う。
だから、聞かれたら答えるくらいにしよう。
……転生したから、ある意味名無しだし。
『うん、同郷の人以外には言わなくていいかなって。転生したから一応名前は無いし』
そう言う。
転移も可能性の一つだったんじゃないのかって？
日が沈む前に水たまりを見て発覚したけど、私の外見はあっちの世界にいた時とは違っていた。
すごく綺麗な顔だったんだ。
……茶髪だし、転移の可能性はないと思う。
つまり、私は転生したんだ。
シズさんは残念そうに頷いた。
ｼｽﾞ「そう……でも、スライムさんにも言わなかったね」
『う、それはちょっと混乱してたから……そのうちちゃんと言うつもりだよ』
ｼｽﾞ「ふふ、そっか」
それにカバル達もいたし……と言ってみたけど、シズさんには効果がなかった。
少しの沈黙。
そうだ、と思いついて私は言った。
『シズさん。よければ私に名前を付けてくれない？』
これから私がどこに行くにも、確かに名前が必要になる。
リムルに頼むのは、下手に魔素を使ったりして未来が変わりそうで怖い。
人間の名付けにそんなに必要になるとは思えないけど、念のためね。
ｼｽﾞ「わ、私が？ うん、いいけど……」
シズさんから伝わる動揺が分かって、珍しさに笑ってしまった。
『ふふ……何でもいいよ！』
思い切って言うと、シズさんはしばらく考えた末に私に名前を付けた。
ｼｽﾞ「じゃあ──A。Aなんてどうかな」
A。
良いじゃん、凄く良い名前！
その時、私の中で何かが変わった。
名前を付けられる感覚ってこんな感じなんだ。
『……A。私の名前はA。うん、すごくいい！』
心からの返事と、シズさんに満面の笑顔を向けた。
シズさんも嬉しくなったのか、にこにこと笑っている。
ｼｽﾞ「気に入ってくれてよかった。良ければ私の名字も名乗っていいよ」
そうだ、と思いついたように、一つ付け足すシズさん。
本当にいいのかなって、少し躊躇いがある……でも。
『……うん、わかった。そう名乗ることにするね』
こうしている内に晩ご飯が出来たようで、リグルが私達を呼びに来てくれた。
私とシズさんは、道中をいろんな話をしながら向かった。
その時のシズさんの顔が、少しだけ気にかかった。
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くろわっ(プロフ) - ビアンカさん» はい！精一杯更新させて頂きます！紅丸sideを作ってみたのですが、どうだったでしょうか？オークロード編の戦いは、続編までお預けになりそうです…ですが気長に待って頂けると幸いです！ (2020年7月3日 20時) (
レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - お返事ありがとうございます！頑張ってください！ (2020年7月3日 19時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！蒼影と紅丸ですね！わかりました！オークロード編位に、それぞれのsideを作ってみようと思います！リクエストありがとうございました！ (2020年7月1日 20時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっても面白いです！頑張ってください！応援しています！あと、私はソウエイとベニマル推しなので、増やしていただけたらありがたいです…( 〃▽〃) (2020年7月1日 20時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
くろわっ(プロフ) - ありがとうございます！更新を再開したので、是非見ていただけると幸いです！ (2020年6月28日 19時) (レス) id: 802b77c97d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろわっ | 作成日時：2020年6月1日 12時
