＃１３１．壊れて ページ10
「母は、自分が悪魔であることが嫌になっていきました」
とても、簡単な話
まるで御伽噺のように紡がれていく、悲しい末路
分かっていたはずなのに。
「悪魔としての使命や誇りを捨て、青年と結ばれる運命を選んだんです」
そう、不幸な青年は・・・私の父。
私の中の、人間の血だ
「その青年は私の父で、ジェネと言います」
短い時間だ
たった５年間だけ、二人は幸せでいられた
そう・・・私が３歳になるまで。
決して豊かではなかったけれど、とても暖かくて・・・
でもそれは、すぐに壊れてしまうもので
「見つけたぞ！プリート！！」
「っ！！」
一瞬、一瞬で――――
「ガッ・・・」
「ジェネ！！！」
悪魔の、力で
父は血を吐いて倒れた。
二度と、起き上がることなどなく・・・
「ぱぱ・・・？」
私の、目の前で
・・・この時から、もう私の心は壊れていたのかもしれない
だって
「まま、ぱぱ死んじゃった？壊れた？」
「A・・・」
悲しむことなく、母にそう尋ねたのだから
理解が出来ていないわけじゃない
ただ、本当になんとも思っていなかった。
・・・悪魔の心が、私の全てだったから
「プリート、その子どもはなんだ？」
「こ、この子は・・・あぁっ！！」
私を持ち上げた男は、目を見開く
貧しく、ろくな服など身に着けていなかった私の腰は露わになっていた
故に、この紋章を見つけてしまった
「お前・・・この子ども・・・いや、この子は人間との子か？」
「っ・・・」
母は、気付いていた
私がこの紋章を持って生まれたということの、最悪の運命に。
「・・・仕方がありません。A」
「まま？」
母の白い美しい手が私の額に触れた
途端・・・
バサッ
「こ、黒翼・・・」
「この子は私と、彼の子です。ですが、この子だけは・・・」
「・・・仕方あるまい」
母は、極刑となりました
悪魔の死とは、消滅
無と化すること・・・。
存在そのもの、魂そのものが消える
「まだ幼かった私は、教育係をつけられ当時の魔主の城で育てられました」
そして、嫌がおうにも発揮される魔主となる才能
誰よりも早く、誰よりも美しく・・・
もし私がこの紋章と翼を持っていなかったら、恐らくここにはいない。
「これが私の過去です」
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黒兎(プロフ) - パセリさん» 返信遅れて申し訳ありません！文才なんてないですよ・・・あったらいのになぁ。コメントありがとうございました！ (2016年2月13日 23時) (
レス) id: 250aa1f5b8 (このIDを非表示/違反報告)
パセリ(プロフ) - 皆さん 文才あってずるいですー ミーに分けてほしいですー (2015年12月25日 18時) (レス) id: 33ab24130d (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - みーさん» ありがと・・・なんか照れちゃうな(笑)あ、コメント返信これが最後なんだ・・・ごめんね。頑張って合格して戻って来るから、その時はよろしくね！じゃあ、また会おうね！ (2015年12月23日 0時) (レス) id: f11ba7750f (このIDを非表示/違反報告)
みー - 黒ちゃんズルい…文才ちょっとぐらい分けて欲しいよｯｯ!!!!面白かったよ、今回のも!! (2015年12月22日 22時) (レス) id: 546ff8ecd7 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎(プロフ) - みさっきーさん» そ、そうですか？なんだか照れてしまいますね・・・！嬉しいです (2015年12月22日 20時) (レス) id: 250aa1f5b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒兎 | 作成日時：2015年9月15日 20時
