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「ところで、清信さん。病気の具合はどうですか」
穏やかな雰囲気から一転、鉄鎖さんの一言で緊迫した雰囲気が場を支配する。
「......病気のことは気にするな」
「......そうですか」
父は数年前から病気に罹ってしまっている。
お医者様が言うには治療法が見つからず、治せないとのことだ。
半年前は体調を崩しがちだったが、最近は体調はすこぶる好調だ。
「......なんだか湿っぽい空気にさせてすみませんね。あっ! そういえば、まだAさんの日輪刀を見せていませんでしたね」
鉄鎖さんは背負っていた刀を畳に置き、包んでいた布をそっと外した。そして、その中から日輪刀が姿を現した。
「こちらがAさんの日輪刀です」
鉄鎖さんから日輪刀を受け取る。
今まで持ってきた刀よりもずっしりと重みがありながらも、不思議と私の手にとてもよく馴染む。
「さぁ、刀を抜いてみてください」
「......はい」
私は意を込めて刀を抜いた。
日輪刀はみるみるうちに刃の色を変える。
そして、私の日輪刀は錫色に色を変えた。
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作者名:名無し丸 | 作成日時:2021年10月12日 19時