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って.....あれ?
共にいた竈門さんと少女が居なくなってしまった。
「死ぬ死ぬ死ぬ死んでしまうぞこれは死ぬ!! 炭治郎と離れちゃった。Aちゃんどうしよう...」
確かに今の状態は危ない。何が起こるか分からないというのに別々に行動していると、どちらかが命の危機に晒されるかもしれない。
「てる子!! てる子!!」
「だめだめだめ大声を出したらだめ、ちょっと外に出よう」
共にいた少年が家族であろう少女に呼びかけ、探し出そうとする。それを我妻さんが止めに入った。
「なんで外に? 自分だけ助かろうとしているんですか?死ぬとかそういうことずっと言っていて恥ずかしくないですか、あなたの腰の刀は一体なんのためにあるんですか?」
「ぐっは...グハァッ、すごい切れ味の言葉が...ぐはっ」
「あ、我妻さーーん!!」
す、すごい。圧巻の一言だ。
少年の非常に鋭利な言葉が我妻さんにグサグサと突き刺さり、ふらつき、私に倒れかかった。
こんな状況においても物怖じせずに、歳上であろう我妻さんに言えるとは。
きっとこの少年は大物になるに違いない。
「違うんだよ俺じゃ役に立たないから...」
我妻さんは少年を引きずりながら、外へ行こうとしているようだ。
我妻さんが勢いよく戸を開いた。
そこは本当ならば玄関であろう場所が別の場所に変わっていた。
「やっぱり、部屋が変わっている......」
「嘘だろ 嘘だろ 嘘だろ ここが玄関だったのに!! 外はどこに行ったの この戸が___...」
「こっちか!?」
我妻さんが別の戸を開いた。
そこには、見覚えのある猪の頭が。
「ふしゅううう」
「あーーー! あのときの猪頭人間だ!」
「化ケモノだァーーーーーーッ」
猪頭人間が突進する構えをする。私もその突進から避けるために構えをとる。
猪頭人間の頭が下がった。突進がくる。
「ギャアァァ」
「っ......あ、あれっ?」
猪頭人間は私たちがいる場所とは別の場所に突進し、何処かへ去ってしまった。
「よかった......」
我妻さんを見るとしゃがみこみ、ぶるぶると震えていた。
「我妻さん。大丈夫ですか?」
「Aちゃーーーん!! 怖かったよォ...」
我妻さんがめそめそ泣きながら私に抱きついてきた。
少年はとても冷たい目で我妻さんを見つめている。
「......」
「何だよォ その目なに!? やだそんな目」
「我妻さん、とりあえずここから移動しましょうか、竈門さん達と合流しましょう」
「うん、そうだねぇ...」
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作者名:名無し丸 | 作成日時:2021年10月12日 19時