【碧棺左馬刻】男として生きる女2

偽り52 ページ4

Aside




某日 日曜日の朝


左馬刻さんは早く起きていてもう部屋には居なかった


『珍しいな...』


布団と枕を整え、トイレに行こうと部屋を出ようとした時


ｺﾝｺﾝ


『？はい』




ｶﾞﾁｬ




左｢出掛けるぞ｣


『唐突...』←


左｢不満か？｣


『う、嬉しいです』


左｢ふっ...早く着替えて準備しろよ｣



ﾊﾟﾀﾝ



お出掛けか...久々な気がするな

ついこの間まで人と出掛けるなんて無かったわけだし...



『というか...どこ行くんだ？動きやすいやつの方がいいのだろうか？』




いや、左馬刻さんの事だからきっとそこら辺をブラブラするのだろう
そんなに服装は気にしなくてもいいか




『これと...これでいっか』



左馬刻さんに借りてるクローゼットから服を取り出した

服は前に左馬刻さんが大量に買ってきてくれたものだ
僕の好みと左馬刻さんの好みは似ているらしい

僕に合わせてくれたものもあるかもしれないが、買ってきてくれたものは全部かっこよくて自分好みだった



『...出掛け先で何もなければいいけど』



────





『どこ行くんですか？』


左｢あー...イケブクロ｣


『何か用事が...？』


左｢まぁな...｣



ﾁﾗｯ

やっぱり左馬刻さん僕がいるとタバコ吸わないな...
左馬刻さんの車なんだから遠慮しないで欲しい...


『タバコ吸わないんですか？』


左｢おう。今はいい...なぁ｣


『はい？』


左｢ピアスって開けてるか？｣


『ピアス...は、開けてないですね』


左｢そうか...｣


『開けてみたいなぁ...とは思うんですけど』


左｢やめとけ。身体は大事にしろ｣



え、カッコイイのに...

というか




『左馬刻さんだって開けてるじゃないですか』


左｢俺はいいんだよ。自分の身体だから｣


『僕も自分の身体だから開けていい...』


左｢お前の身体に傷がつくのは俺がやだ｣



うむむむむむ


『じゃあ左馬刻さんも、これからはピアス開けないでくださいね』


左｢...わぁ〜ったよ｣


二人の間で小さな約束が交わされた

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