【碧棺左馬刻】男として生きてる女

偽り20 ページ21

Aside





...脱ぎたくないぃぃ...



理｢左馬刻、持ってきたぞ｣



...！袋？なんかいっぱい入ってるな...



左｢おー...ほら、さっさと脱げ｣


『...っ.....』


左｢.....｣




これはどうしても脱がなきゃいけないんだろうけど...さすがにこんなにマジマジと見られてると...嫌だなぁ...！(汗)






左｢銃兎、理鶯。お前らはあっちの部屋行ってろ｣


銃｢左馬刻一人で出来るんですか？｣


左｢舐めてんのか。余裕だわ｣


理｢わかった。何かあったら呼べ｣





ｽﾀｽﾀｽﾀ

ｶﾞﾁｬ

ﾊﾞﾀﾝ



左｢...まだ脱げねぇか...｣


！！

気ィ使ってくれたんだ...申し訳ねぇ...

あんまり綺麗なもんじゃないし、見せたくないけど...脱ぐだけだもんな...



『っ...』ｽｯ



ﾊﾞｻｯ



左｢...｣



左馬刻さんは苦虫を噛み潰したような顔をした



まぁ...痣だらけで汚いもんな...

自分でだって気持ち悪いと思うし


それにしてもなんで脱がなきゃいけないんだろう...？


『...あの...何で脱がなければいけないのでしょうか？』




左｢手当するからだ｣


『え？』




てあて？？



何で...あ、袋の中に包帯とか入ってる


左｢腕伸ばして、俺の方に出せ｣


一応言われた通りにする



────



...


左｢...｣


綺麗な顔だなぁ...


左｢おい｣


『っ...！はい？』


ビックリした、ぼーっとしてた



左｢キツくねぇか？｣


『！はい、大丈夫です』


左｢ん｣ｼｭﾙｯ



左馬刻さんは器用に包帯を巻いてくれている

その顔は真剣そのものだ



『...(上手いなぁ...。慣れたような手つきだ)』


左｢！おい...｣


『何ですか？』


左｢この傷...いつのだ｣


『！！』


その傷は昔、父親にタバコを押し付けられた場所だった

いつの...って聞いたってことは、前チンピラにやられたやつじゃないって分って言ったのだろうか...



『えーっと...いつのですかね？前フライパンで火傷したんですよ...。多分その時です』


余計なことを言わないように

嘘をつく


『自分、不器用でよく色んなところ怪我するんですよね』


左｢...そうかよ｣


はい


『あの...手当してくださいってありがとうございます』


左｢別に気にすんじゃねぇ...銃兎たち呼んでくるから待ってろ｣


『あ、はい』






なんであんな顔しているんだろう





苦しそうな...だけど、どこか怒っているような









不思議な人だ...

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