愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ35)

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最高でした/ビーーグルページ35

俺にも彼女が出来た

その子とは遠距離恋愛で、

会える日はかなり限られている

そりゃ、寂しい時もあるけど…

あ『聞いて黒尾くん！今日ね……』

こうやって、ほぼ毎日電話をかけてきてくれる

迷惑だなんて思ったことはない、

むしろ嬉しい

黒尾「へぇ、それで？」

そう答えると、Aは更に気分良く話し出す

一目惚れだった

一生懸命、物を運んだり、

部員と仲良く話したり、

笑った顔が特に最高で…

黒尾「ねぇ、一目惚れしたんだけど」

って言った時の、

あの真っ赤になった顔

あれは一生忘れられない

黒尾「なぁ、A」

あ『ん？』

黒尾「会いたい」

烏野高校にいるAはもちろん宮城に、

音駒にいる俺は東京に。

すぐに会える距離じゃないけど…

会いたい

画面の向こうからクスリと笑う声が聞こえて、優しい声でこう言われた

あ『私も、会いたい』

俺たちももう三年生

そして就活が始まる時期

あ『あのね、東京の大学、受けようと思うの』

黒尾「お、マジで？」

あ『うん、今頑張ってるの！』

意気込むAが想像できて、

ちょっと笑った

あ『…そういえば黒尾くん、そろそろ誕生日だね』

黒尾「あー、うん」

あ『楽しみだね』

黒尾「？なにが……？」

あ『ん？秘密』

聞いても、

電話を切るまで「秘密」の一点張りだった

……なにが楽しみなんだ？