愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ34)

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貴方の隣、愛を誓う。ページ34

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「鉄朗、誕生日おめでとう」

目の前にいる彼はやっぱりどこか不機嫌そうだったけど、私が差し出したプレゼントを見て目を見開いていた。私がその箱を開けると、箱と中身は夕日を反射して綺麗に輝いていた。

「おま…これ」

「うん」

「そういう意味で受け取っていいって…事か？」

不機嫌だった彼は私の手に握られているそれを見て
目を丸くした。
コクリと頷くと不安げにそういった彼は震えた手を伸ばし、私が差し出した小さな箱を受け取ってくれた。
話す度に現れる白い息は空に吸い込まれるように消えていく。

「ドタキャンしちゃってごめんね。えっと…その。改めて誕生日おめでとう。そして、私と＿＿＿＿」

喉まででかかっていた言葉は、彼の胸の中で消えてしまった。鉄朗の抱き締める力はすごく強くて、それいて優しかった。

「そういうのは、男から言うもんだろ。」

やっぱり鉄朗の声は先程伸ばされた手と同じく震えていたけど、違うのは確信がある声だということだった。ただ、彼の腕の中で温もりを感じた。

「俺も渡したいものがある。」

その声と同時に、私と彼の体は離れた。けれど、次の瞬間、私と彼はもっと深い、表面的なところではなく心の奥底から繋がっていると知った。

「大学を卒業したら、結婚しよう」

彼もまた、私と同じような小さな箱を手に持っていた。その箱の中に眠っていたのは私がプレゼントとして送ったものよりも数倍輝いているダイヤの指輪だった。

「受け取ってくれるか？」

「これじゃあ、鉄朗のプレゼントじゃないじゃん、鉄朗が私にくれたら….」

そこまで言ってやっと気付いた。彼の目が優しいことに。彼の気持ちに。

「…お前が俺とこれから先ずっと一緒にいてくれるっていう、その誓いが最高のプレゼントなんだけど。」

「うん…！」

これから先、どんな困難が現れようとも。私はあなたと共に、歩み続けることを誓うよ。

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今回貴方の隣、愛を誓う。を書かせていただきました小鳥遊です。読んでいただきありがとうございます。普段はこんなの書いてます。*深夜0時魅惑のジカン*【黒尾鉄朗】
今回誘ってくれたスタぁとさん、読んでくださった皆さんありがとうございました！
小鳥遊