愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ15)

今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:70,574 hit

未来はそうそう変えられないものであるページ15

「黒尾の彼女を犯す。」

「ぎゃはははっは、ざまぁ、絶対成功させるぞ。」

「怒って殴りこんでこれば春高の出場権剥奪できるしな。」

身体がとどまりを知らず、殴りかかってしまった。

まぁ、かっこよく殴りかかったのはいいけど、人数にはかなわない世界である。

ファンタジー世界でもなければ不良漫画でもない多少昔喧嘩をしていようとも、十何対一では勝てるわけがなかった。

なんであんなにイラついたのか、11人ほど倒して足元がふらつく。

「お前も中学のころからムカついたんだよ。ちょっと喧嘩強いからって威張りやがって。」

「……いや、いばってねーよ。お前も卑怯な手ばっか使って大っ嫌いだったよ。死ねばいいと思ってた。」

「ッチ、この状況でよくそんな口聞けたな。」

殴られる。こんな男に情けない口など聞きたくなくて虚勢を張っているが突き指したし、明日のバスケどうしよう。

絶対怒られる。

腹を殴られる、げほっと胃液のようなものが胃から出る。

情けないが正直リンチ状態だ。

かっこつけて殴りかかるんじゃなかった。

それでも、頑張ってる幼馴染はバレーの大会で全国決めてきたんだ。

それを貶されて許せるほど俺は優しくも余裕もなかった。

俺といえば大学の受験の関係で夏で引退してしまっていて、幼馴染のバレーはある意味自分の想いも入っている。

頑張ってほしいと思っているんだ。

こんなくだらない問題で幼馴染の夢を貶されてたまるか。

そう思いながらもだいぶ殴られた。

口は血と胃液の味しかなしなくって、咳を数回してまた殴られる。

意識飛びそう。

そう思った時だ、「はぁっ……はぁっ、お前バカじゃねーの！？」そう叫んだ幼馴染が目の前にいた。

「黒尾……、な、なんで来たんだよ！」

「は！？思い出したんだよ、そういや中学のって、てか、くるだろ。俺の問題だし、なんでお前殴られてんだよ。」

驚きを隠せないそんな表情をする幼馴染は相手に殴りかかろうとする。

だからバカなんだ。

追って来るなって言ったのに。

痛いからだ必死に起こして幼馴染の拳を受ける。

「バカじゃねーの……、お前他校殴ったら春高出れなくなんぞ。」

身体が止まった。

なんで最初から気が付かないんだよ。

後さき考えないからバカなんだ。

「Uターンして帰れ」

「いや、でも」

「いいから、全国でてっぺん取るって掲げた部長が暴力沙汰で出場権剥奪なんて洒落にもなんねぇぞ。帰れ。」

.