愛を考えてみて、それから伝える【黒尾生誕祭】 (ページ12)

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未来はそうそう変えられないものである/スタぁとページ12

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「もう、ヤダ、耐えられない」

泣きわめく女の子。

俺の幼馴染は呆然とそれを見ている。

カレンダーは11月17日を示していた。

皆は、予知夢ってものを信じるだろうか。

俺はずっとずっと昔からそんなものを見てきた。

テストの点数がものすごい悪い結果の夢を見て、焦って勉強をして結果は微妙な点数。

それなりの努力はしたつもりだった。

つまるところ、未来とはそう簡単に変えられない。

自分の予知夢の信憑性はまずまずではっとこれはやばいんじゃないかと思った夢は大抵その通りになった。

俺には幼馴染がいる。

バレー部の主将をしていて、美人の彼女持ちで、友人も多くて、高校生活満喫しすぎだろって感じの友人だ。

俺といえば帰宅部で、友人もそこそこ、趣味といえばスマホのゲームというどこにでもいる奴なのだが、一応たぶん一番の親友である。

先ほどにも言ったが俺の幼馴染には美人の彼女がいる。

冒頭のあの夢は予知夢であろう。

そして色濃く見えた11月17日というのは俺の幼馴染の誕生日であった。

つまり幼馴染は恋人に誕生日に振られる。

最近二人の仲が芳しくないなんて話は聞いていない。

気が付いていないのか、それとも当日に何か問題が起きるのか。

これから何かが起こるのか。

予測したってわかりはしないが、誕生日まで1か月。

毎日連絡を取り合う仲である恋人同士とは1か月もあればどこまでも進むし、どこまでも距離が離れる物であろう。

そもそも俺に何かできることはあるのか。

1か月前になり友人として何を誕生日プレゼントにやるべきかを考えていたところだったと言うのにだいぶ面倒な問題が浮上したものである。

美人な彼女と別れてしまえと何度も口に出してはいたが内心見る限りお似合いであると俺は思っていた。

だからこそ、できることならば2人には仲良くいてほしい。

夢の記憶の限り唖然としている俺の幼馴染は状況をすべては把握していないだろう。

とにかく、粗っぽいところや面倒くさがるところを出来るだけ解消するように声をかけるしかないだろう。

折角の誕生日に友人の泣き顔など見たくない。

特別な関係であるわけではないが、仮にも一番の友人としてできることはしてやりたいと思うのであった。

帰り道、俺はバスケ部であるのだがバレー部の幼馴染とたまたま時間帯が一緒で久しぶりに一緒に帰るかとなった日俺は声をかけた。

「彼女とどうだ？」

心配で声かけているのだが、不審そうな顔をされた。

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