宮侑が真面目に恋をする話。

1【自己紹介】 ページ1

2年生に上がったからといって何かが大きく変わるわけでもない。


強いていえばクラス替えぐらいや。


っていってもそんなに興味はないし、サムは双子やから無理やとして角名でもおれば退屈せんで良かったんやけどなぁ。お、銀島はおる。


とか思いつつ新任教師の初めてのショートホームルームを聞き流す。



「この学級で皆さんの青春を手助けしていきたいです！」



じゃぁ今すぐバレーさせてくれや。




それが俺にとっての青春やから。









━━━━━━━━━━━━━━━




そんなこんなで初顔合わせのクラスメイトが多いのと、新任教師のリクエストで自己紹介をすることに。

名前、長所、好きな食べ物、特技を言うらしい。



ま行まで時間あるけど、まぁ聞いとこかな、寝ずに。









「相田 京子です、長所は綺麗好きなところで━━━」






寝ずに、








「田中 瞬で━━━━━━━━━━━━」


…寝ずに…





「船橋 永吉です！長所は━━━━」






あかん、眠すぎ…何言うか決めてないし大半聞いてなかったわ。


昨日寝るの遅かったからな…。




『美澄Aです。長所は真面目なところで、好きな食べ物は━━━』









はよ終わらんかなこの時間…。









『あの、大丈夫？次言わなあかんで、』


「えぁ…？あっ、」


美澄サン？に肩をトントンと叩かれて急いで立ち上がる俺。


完全に寝ぼけとったわ。てか寝てたわ。




今日はよ寝よ。



机と椅子の勢いよく引きずられる音が教室に響いた後に口を開く。


「宮侑です。長所ー、はバレーが好きなとこで好きな食べ物はトロ。特技はバレー。ボールの方な。よろしゅう。」



2年生が始まった。

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