忍の鉄則その二百三十 ページ43
雑渡「まぁ、取り敢えず彼女が落ち着くまでここで待つから」
山本「それはいいですが組頭⋯⋯足を揃えるのは辞めてくれませんか⋯」
諸泉たちに命令した雑渡だったが、山本はそれよりも先程から足を揃えながら座っている雑渡に辞めるよう頼む。
雑渡「なんで」
山本「なんでって⋯はぁ」
しかし頼みをきく理由を聞いてきた雑渡に、山本は呆れてため息をついた
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「ちょうど材料も無くなったな⋯」
暁は昼時を乗り越え、客もいなくなった所で店にある材料がもう完全に無くなったことを把握した。
今日はもう店は無理だと判断した暁は、店の看板を下ろし中に運んだ
「⋯⋯」カサッ
そして、先程雑渡が置いていった手紙を無言で眺める。
この後の予定が無くなった暁は、この雑渡の指定した場所に行く時間が出来たのだ。
「この場所⋯近くの竹林か」
手紙に添えてある地図の場所が、店の前の道を町と逆の方へ進むとある竹林だと理解した暁はその場所に行くか悩む素振りを見せる。
「何企んでんだ、アイツら」
何故タソガレドキ忍者が自分を呼び出すのか分からず、行くかどうか暫く考える。
今は神宮も居ないため、暁の戦力はいつもの半分以下にまで下がっている。
日々神宮の能力を使わずに戦う訓練をしている暁だが、まだタソガレドキ忍者と対決して勝てるほど強くはないと自覚していた。
なので、万が一罠であった場合に、逃げる事が出来ない場合がある。
それを暁は危惧していた。
「⋯⋯チッ、行くか」
グシャリと手紙を握りつぶすと、何かを決心したのか暁は店の服から着替えて雑渡が指定した場所へと向かった。
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「⋯ここか」ザリッ
手紙に書いてある地図を見ながら指定された位置につく暁。
まだ雑渡たちは来ていないのか、暁は雑渡たちが来ていない間に周りを確認し罠などが無いかを調べ始める。
「(アイツらが何のために私をこんな所に呼び出したのかも分かってねぇんだ、自分の身は自分で守らねぇと⋯)」
ガサガサ、近くの茂みの中などを確認しこの場所が本当に安全かどうか確認する。
雑渡「何してるんだい?」
「っ!?」バッ
すると、茂みを漁っていた暁の横にいつの間にか雑渡が立っていた。
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作者名:鈴村十四郎 | 作成日時:2022年3月6日 21時