忍の鉄則その二百二十六 ページ39
舳丸と利吉を見送った暁たちは､店に戻り開店の準備に取り掛かる
｢ルイ､今日は店はいい。｣
ルイ｢え､なんで？｣
ほうきを抱えたルイがキョトンとした顔で暁を見た。
店の掃除をやる気満々だったルイにとって暁の言葉は掃除をするという行動を止めるには十分だった。
｢店の食材と調味料がもうギリギリなんだよ。｣
ルイ｢えっ､そうなの？｣
｢私は店一人で回さなきゃならないから買い出しには行けない。｣
ルイ｢え､でも⋯買い出しって人手居るよな？師匠が野菜とか買ってくるのか？｣
量が多い野菜類は､ルイ1人では不可能だ。となるとルイの中で選択肢はアーク一択にならざるおえない。
アーク｢俺は今日治療の予定がある。簡単なもんが多いが､量が多い。今日は無理だ。｣
アークは外に出る支度を整えると､家に出る前にルイにそう言い残し町へと向かっていった
ルイ｢え､じゃあ誰が⋯｣
いつもアークの仕事について行くルイだが､暁の店を手伝いだした頃から簡単な治療しかない日には店の手伝いを優先する事が増えた。
最初は断っていた暁だったが､ルイの押しに負けそれについて言及するのは辞めることにしている。
｢お前の部下2人駆り出すことにした。｣
ルイ｢部下⋯？って､あﾞ｣
暁の物言いにあまりピンときていなかったルイだったが､しばらく考えて理解したのか何とも言えない声をあげた。
ルイ｢だから部下じゃねぇ！！｣
｢あぁ､舎弟か｣
ルイ｢違うッ！！｣
｢つーことでルイ､お前今日店はいいから街行って調味料調達してこい｣
必死に否定するルイを暁は見事にスルーすると､ルイにやって欲しい事を頼んだ
ルイ｢たくっ⋯それはいいけど暁姉ちゃん､店1人で大丈夫か？｣
そしてルイは暁の頼んだ調味料を町に買い付けに出かけて行った
｢⋯さて､久しぶりの1人作業。やるか｣
暁は袖をまくって落ちないように紐でくくると､腰にエプロンをつけた
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暁の店は朝から客が多い。それは店が甘味処兼食事処だからだ。
朝から暁の手料理を味わおうとする人間が多く店に立ち寄る。
｢いらっしゃいませー！！｣ﾆｺｯ
多くの客が来ているのにも関わらず､暁は笑顔で応対をする。
そして素早く作った料理を､注文していく客たちに渡していく。
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作者名：鈴村十四郎 | 作成日時：2022年3月6日 21時
