忍の鉄則その二百十五 ページ23
アーク「それがイライラするって言ってんだよ。さん付けも止めろ、気持ちわりぃ」
舳丸の言葉に苛立ったアークがガシガシと頭を搔く
舳丸「⋯わかった、そこまで嫌なら俺も無理に敬語を使わない」
本気で敬語をやめて欲しそうなアークを見て、ようやく敬語をやめる事にした舳丸は口調を兵庫水軍の仲間達と喋る時と同じようにしアークに喋りかけた
アーク「おし、これでやっと鳥肌が立つこともねぇな」
今まで舳丸に話しかけられる度に腕に立っていた鳥肌もこれからは無くなると思い安堵する
舳丸「本当にひどいな⋯敬語で喋られて嫌だったのかアーク(呆れ)」
自分が良かれと思って付けていた敬語が実は嫌がられていた事実を知った舳丸は、自分の今までの頑張りを返せと言わんばかりの目でアークを見た
アーク「尊敬どころか敵意を向けてくる奴に敬語使われて嬉しいわけねぇだろ」
舳丸「なんのことだか」
自分の感情を読んでいたアークに驚きながらも、舳丸は誤魔化すように言葉を返した
アーク「というか忍者お前、まだ悩んでんのか」
利吉「あ、いや⋯すみません」
アークと舳丸が暫く話している時にも一人黙り込んでいた利吉に、痺れを切らしたアークが詰め寄る
未だに自分の感情の答えが出ない利吉は、自分でも自分に苛立ち始めていた
利吉「まさかここまで考えても答えが出ないなんて⋯すみません」
アーク「⋯ま、例え答えが出なくとも、考え続けるのをやめない限り俺も文句はねぇよ。」
予想以上に暁について悩んでいる利吉に観念したアークは、珍しく優しい言葉を利吉に向けた
利吉「!!ありがとうございます」
ひとまずはアークに認められたと判断した利吉は礼を言って頭を下げた
舳丸「なんか利吉くんにだけ甘くないか?私にも少しくらい優しくしてくれよ」
アーク「優しくされたきゃお前はもっと可愛げある態度を示せ」
アークに対しほぼ挑発しかして来なかった舳丸はアークにとって気を使う相手では無くなっていた
舳丸「私の何がいけなかったんだ?」
首を傾げ顎に手を当てる舳丸。
本人は本気で自分の行いがおかしな事だとは思っていないようだった。
アーク「お前は一生そうしてろ」
利吉「ははは(苦笑)」
舳丸とアークの言い合いに、利吉は外から見ていることしか出来なかった。
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作者名:鈴村十四郎 | 作成日時:2022年3月6日 21時