忍の鉄則その百九十五 ページ3
アーク「ゲッ⋯暁お前、夕飯の肉狩りに行ったんじゃ無かったのか⋯なんだそのボロボロな姿、あと、その犬っころは」
家から出てきたアークは、帰ってきた暁が土埃で汚れており、かつ隣に狼姿の神宮を見て顔を引きつらした
ルイ「おぉ!凄い、これ犬じゃなくて狼だぞ師匠!可愛いな!」
神宮を見たルイは嬉しそうな顔をして暁の隣でゴロゴロとくつろいでいるに近づき撫でた
神宮「グルグル⋯」
撫でられた神宮は嬉しそうに喉を鳴らした
「あ〜、予想の倍疲れた。私風呂入ってくるわ」
暁はアークの言葉をスルーして奥の部屋へ歩いていった
アーク「おいコラ暁!話聞け!!」
アークはそんな様子の暁に苛立ち追いかけようとする
神宮「あ、待て待て。お前ら2人には俺から話する事になってんだ」
神宮はルイに撫でられながら奥へ行こうとするアークを静止する
ルイ「⋯え」ピタッ
アーク「は⋯?」
突如喋りだした神宮を見てルイは笑顔で撫でていた手を止め、アークも暁を追いかけるのを辞め唖然とした顔で神宮を見た
ルイ/アーク「はぁぁぁああああ!!?」
「?⋯あぁ、神宮が話しかけたのか」
暁は後ろで急に上がった叫び声を聞き後ろを振り向くが、直ぐに理由を理解し再び風呂に向かって歩き出した
「にしても、まさかここまでボロボロになるとはな。この家に風呂が付いてたのは有難かったが、この時代の民家に風呂なんか普通ついてないよなー。誰がこんな設計したのやら」
ガラッと暁が戸を開けるとそこには脱衣所と入浴場が一緒になった部屋があった
そこは上半分に壁は無く、誰が見ても後から追加で付けられた物だと分かった
「最初この家を見た時は、正直この風呂場が一番有難かったな。元現代人としては風呂に入れるのはデカい」
暁はそこで服を脱ぐと、木材で出来た棚に脱いだ服を置いた
そして置いてあった水を自分に躊躇なく掛けた
フルフルと顔を振りその水を振り落とす
湯船の中には既に水が張っており、ルイかアークが先に温めていたのが分かった
「だがあの神があれだからな、最初この家はクソ神が用意したもんだと思ったが多分違うよな⋯。
誰なんだ?こんな現代人に便利な機能を付けた奴は」
暁は家の壁と風呂の壁の継ぎ目を眺め、そう呟いた
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:鈴村十四郎 | 作成日時:2022年3月6日 21時