忍の鉄則その二百五 ページ13
利吉side
何故私がここに居るのか分からないんだろう。あぁ、私もなんて言い訳すればいいのか分からないです⋯
だが、いつまでも無言でいる訳にもいかない
利吉「い⋯いや!実は、たまたま!たまたま仕事帰りにここに寄ったらいい匂いが中から漂ってきまして!つい気になって少し匂いを嗅いでいたんです!!」
__恐らく、言い訳として一番駄目な理由を付けてしまった
「え、あ⋯はは。そうなんですか⋯(匂い嗅ぐって⋯山田利吉でもそういう変なことするんだなー⋯)」
利吉「ぅ⋯はぃ⋯」
うぐ⋯、焦っていたせいで変な言い訳を口走ってしまった⋯⋯暁さんも引いているように見えるし、完全に失敗したッッ!
私は先程口走った言葉からの後悔で崩れかける表情を必死に堪え、暁さんを恐る恐る見た
しかし一度は崩れていた顔も、いつの間にか納得した表情に変わっていた。どうにか納得してくれたらしい。よかった。
「⋯えーっと、お久しぶりですね?最近お店に来てませんでしたが、お元気でしたか?(コイツが私の正体に気付いてたら面倒臭いな⋯忍術学園が私を調べだしたりしてもめんどくさい。しゃーないここは前の口調で行くか⋯)」
⋯?!私のことを覚えていてくれたのか⋯これは、嬉しいな⋯
利吉「え、えぇ。すみません、ずっとまた来たかったのですが仕事が忙しくて⋯」
「いえいえ、忍者のお仕事なんでしょう?忙しくてもしょうがないですよ〜(この感じだと、私が攻撃した人間って事は気づいてなさそうだな)」
彼女はそう言って私に微笑む。
⋯って、え、なんで暁さんは私が忍者だってことを知ってるんだ⋯?!
利吉「あの、何故それを⋯?!」
「?あっ、実はこの前たまたま土井さんと会ったんです、そこで色々あって土井さんが忍術学園って所で働いてる事を知りまして。その時に忍たまの子達から聞いたんです」ニコッ
彼女は私が土井先生から話を聞いていないと思ったのか丁寧に説明してくれた
そうか、あの子達勝手に私のことを。今度会ったらちゃんと叱らねば⋯⋯いや、暁さんに私の事を知って貰えたんだ、今回は特別に許すとしようか
利吉「そうだったんですか。⋯あ、すみませんそう言えば自己紹介がまだでしたね。私は山田利吉です」ペコッ
ここまで来て私はまだ暁さんに自己紹介をしていないしされていない事に気づいた。
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作者名:鈴村十四郎 | 作成日時:2022年3月6日 21時