おかえり ページ4
A side
あれからどれだけ時間が経ったんだろう。
私の心の世界は外の世界の時間が分からないから、なんとも言えないけど。
あの日から先代に力の使い方を教わって、鎖が一本一本外れてきている。
その度に私の力が強くなってる気がする。
でも、気がするだけ。
それと、たまに左手がとってもあったかい。
何かに包まれてるような…手を握っているような暖かさを感じる。
なんだか、胸がホワホワするの。
よくわからないけど、ホワホワしてくすぐったい。
「…よし、これであと残り一本だ。よく頑張ったな。」
そう言って褒めてくれる先代は、私と瓜二つで性別しか違いがなかった。
ーあと一本はどうやればいいの？さっきとは違うよね。ー
「そうだな。最後はこれも一緒に抜かなきゃいけない。」
そう言って私のお腹に刺さっている大鎌をスッと撫でる。
なんでこういう仕草が似合うのかな？
「でも途中まで一緒だ。大鎌を抜くってイメージより中に取り込むって感じかな。お前が解いた鎖は全部この鎌に繋がってて、それを全部食べるイメージをしてみろ。」
ー…食べる。鎌を食べる。ー
「そう、食べて力を体に染み込ませるんだ。」
これを食べたら、この世界から出られるのかな？
じゃあ、ちゃんと食べなきゃ。残さず、丁寧に。
そんなことを考えていたら、急に体が軽くなった。
ーあれ、体が軽い。ー
「すげーなお前。さっきの一瞬で食っちまうなんて。やっぱり、お前は素質があるんだな。」
ー食べれたの？ちゃんと？ー
「ああ、お前は食ったよ。俺たちが溜め込んできた力全部をな。」
白い歯を見せて笑い、私の頭を撫でたあと先代は私を抱きしめた。
「これで目が覚めるぞ。よく頑張った、さすがだな。」
ーうん、ありがとう。教えてくれなかったら、私一生ここに閉じこもったままだった。ー
私も先代を抱きしめ、しばらくして離れた。
「…さ、お目覚めの時間だぞ、ネムリヒメ。なに、今生の別れじゃ無いんだ。俺に会いたくなったらいつでも"ココ"に来い。俺はいつでもここにいるから。」
ーわかった。じゃあ、またね。ー
「ああ…またな。」
目の前が白くなっていく。
ああ、目が覚めるんだ。
そう本能的に感じ、私は目を閉じた。
ーチュンチュン、チュンー
鳥の声…なんだか眩しい。
体が重い…。
「やっと起きたな。」
声のする方に顔を向けると、私の手を握って泣きそうな顔で笑ってる
「おかえり、A。」
「うん…ただいま、ベニマル君。」
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あたりめ(プロフ) - ビアンカさん» ぬやっ！ありがとうございます！更新がどんどん遅くなってきている気がするのですが、絶対完成させますので、気長にお待ち下さい。(o^冖^o) (2020年7月1日 22時) (
レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
ビアンカ - とっっっっても面白いです！頑張ってください！ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 8342502802 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - スライムさん» ひぇ、ありがとうございます！そう言ってもらえるだけで、発狂しそうです。執筆頑張ります。亀更新ですが、気長にお待ち下さい(o^冖^o) (2020年5月15日 18時) (レス) id: a8549bdcf0 (このIDを非表示/違反報告)
スライム - 今日見始めたのですが、すごく面白いです！作者様のペースで構いません！完結してください！お願い致します(土下座)。 (2020年5月15日 17時) (レス) id: a72074cebf (このIDを非表示/違反報告)
舞京(プロフ) - あたりめさん» 待ってます！ (2020年4月19日 23時) (レス) id: 8bc37d8fd4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あたりめ | 作成日時：2020年3月25日 11時
