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出会いの後 ページ8

ここはジュラの森の大鬼族(オーガ)の里。

空は赤く染まり、夕餉の時刻なのかどこの家からも美味しそうな匂いと、白い湯気が立ち上っていた。

「あぁ、若様!!どちらに行かれていたのですか?!族長様や姫様、奥様が心配しておりましたよ!お前もよ、近衛様がお怒りでしたよ!」

門の前で立っていた1人の大鬼族の女性が、遅くに帰ってきた少年2人を叱りつけた。

「「…ご、ごめんなさい…。」」

「もうこのような時間まで里を離れるときは、我々大人を同行させて下さい!でなければ心臓がいくつあっても足りませぬ!」

それからも口が閉じることは無く、永遠に続くと思われた説教は直ぐに終わる事となった。

「まぁ、そこ迄にしといてやらんか。」

「老鬼様!」

そこには老鬼と呼ばれた白い鬼が立っていた。

「2人ともこれで良くわかった事じゃろう。心配なのはわかるが、夕餉を食わせてやれ。2人とも、死にそうな顔をしておるぞ。」

そこで解放された2人は腹の虫を鳴らしながら、家族の待つ家へと急いだのであった。

赤鬼の子供が家に着くと、既に夕餉の支度は整っており、あとは少年の帰りを待つのみであった。

「ただ今戻りました。」

「お兄様!どこへ行かれていたのですか?」

「師匠の課題を探しに青鬼とな!」

「話は後にしなさい、まずは夕餉だ。冷めてしまうぞ。」

それから少し賑やかな食事を楽しみ、少年は父親へ今日見たことを話しに向かった。




青鬼の子供も同様に、家には家族が揃っており温かな夕餉が並べられていた。
それを見て大きな腹の音を立てた子鬼を見て、母親である鬼がクスッと笑った。

「ご飯にしましょうか。」

その声を聞いた後の子鬼は、風ような速さで座った。

「「「頂きます!」」」

子鬼はとても腹が減っていたのか、夕餉をかき込んでいく。

「そんなに急がなくても夕餉は逃げたりしないわよ。」

「食事はゆっくり食べなさい。」

子鬼は少し顔を赤くして、口の中に入れた食事をゆっくりと飲み込んだ。

「は、はい。すみませんでした。」

「謝る事はない、少し行儀は悪かったがな。」

「まあまあ、育ち盛りの男の子ですもの。仕方ないわ。たくさん食べて、大きくなりなさい。」

「はい!」

そんな何処にでもありそうな食事風景。
これがこの里の日常であり、幸せであった。
そんな幸せがずっと続いて行く、それがこの里の大鬼族全員の願いだった。

出会いと悲しみ。→←出会い。



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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
- この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時

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