出会い ページ6
Aside
私が闇耳長族になってから、かなりの日数が過ぎた。
私は徐々にスキルを操れるようになってきた。そうでもしないと、この荒野がもっと広がってしまうから。
「今日も空は綺麗。」
そんなことを呟きながら、今日も植物から命を奪い取る。
こうやって命を貰わなきゃ生きていけない体なんて、皮肉でしかない。なぜ私のような存在がいるのか不思議でしかなかった。
そんな時、まだ緑が青々としている茂みから少年が2人顔を出した。
その2人の額には角が生えていた。
「
私は大鬼族を見た瞬間、怖くなった。闇耳長族になってから、生きている者がこんな近くまで来たのは、ヴェルドラ以外初めてだからだ。
まだ大鬼族の少年達は私の存在に気がついていない。
逃げなきゃ…
なぜかその事だけしか考えられなくなった。
なぜかはわからない…でも逃げなきゃ…×××る…!!
私は全速力で走った。
パキッ
木の枝を踏んでしまい、大鬼族に気づかれてしまった。
「おい、あそこに誰かいるぞ!おーい、そこのお前!」
鬼の少年たちはこっちに近づいてくる。
私は元から運動が得意ではなかったから、走るのがものすごく遅かった。
少年たちはすぐに私に追いついた。
私は足がもつれて転んでしまったけど。
「おい、大丈夫か?派手に転んだけど…。」
「膝を擦りむいているな…仕方ないか。そのままじっとしていろ。」
少年たちの手が私に迫ってくる。
それの光景が恐怖でしかなかった。
どうしても、馬と接触したあの時と重なってしまう。
もう、あんな思いしたくないのに…!
「…や、いや…触らないで…!私に触らないで!!」
パシッ
「あ…ご…ごめん、なさい…触ってごめんなさい…。」
私は思わず少年の手を叩いてしまった。
しかし、少年は力を失ったようには見えなかった。なぜ叩かれたか分からずにただ首を傾げているだけだった。
「私に…触っても平気、なの?わ、私の近くにいて、気持ち悪く…ならない?」
「??なんのことだ?」
「とりあえずじっとしてろ、治療ができない。」
そう言って青髪の少年が首に巻いていた布を破いて、私の膝に巻いてくれた。
「よし、これでとりあえずは大丈夫だろう。」
「あ…ありがと…。」
「立てるか?」
赤髪の少年が私に手を差し伸べる。
ー触っても大丈夫なのかな…ー
迷いながら少年の手を握り返した。
299人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「転生したらスライムだった件」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時