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書かれた文字 ページ50

「思考が似てる?それはどういう事だ?」

彼はリムルを見つめ、ため息をついた。

「…こいつは思考が人間なんだよ、俺と違って。」

彼は指を鳴らすと一冊の本を持っていた。
そう、闇耳長族しか見ることができない本だ。

「俺は、代替わりの前に前の闇耳長族に引き取られてるんだ。魔物としての心得と思考を教えてもらえた。でも、こいつが生まれたのはドワルゴン。そんなとこに俺が入ってみろ…一瞬で滅ぶぞ。」

「……まさか、彼女は何も知らないまま代替わりしたのか!」

「…そのまさかだ。幸い能力が引き継がれる前にドワルゴンを出てたから良かったが。もし出られなかったら、一夜にして滅びて発狂してただろうな。」

彼はそう言うとベットへと横になり、布団をかぶった。

「さて、話は終わりだ。出てった出てった。俺は今からこいつと話すから邪魔するなよ。」

そのあとすぐに寝息が聞こえた。
彼は本当にAと話すのだろう。
…彼女の心の中で。

「ハクロウ、彼女を頼んだぞ。何かあればすぐに知らせてくれ、この一帯を滅ぼされないようにしないといけないしな。」

「お任せを。」

「ベニマル、ソウエイは俺と一緒に来い。今後の対策を考える。」

「「承知。」」

「…エンロク、今後お前を介してAと関わる事になる。それはわかっておいてくれ。」

『…はい。』

そうして、彼らの長い夜は更けていく。

これからの道は、茨の道かそれともー。

Aの凍った心を溶かすのはいったい…。

これはある1人の闇耳長族の、お話である。




この下に手書きの文字が書かれている。

〈これを読んでいるのは、私の次の代かしら。それともそのもっと後?
これを読んでいるあなたに、一つ伝えたいことがあるの。
"幸せになる事を諦めないで"。
私は諦めしまったけど、あなたは諦めないで。誰かと愛を育み、その人と子を成す事を諦めないで。
私は後悔しているから。後悔の無い道を歩んで欲しいの…そした………〉

これ以上は何かで滲んで読めなかった。

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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
- この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時

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