早すぎる再会 ページ46
エンロクside
『若、そこにいらっしゃるのは分かっています。出てきたらどうです?ソウエイ、お前もだ。』
主人を寝台へと運び、側を離れまいと立ってはいたが…主人を心配した若とソウエイは気配も消さずに廊下に立っていた。
「…エンロク、先程のハクロウとの話は本当か?」
『ええ、誠でございます。我が主人は眠りについた。ですが、もうすぐ目を覚まされるでしょう。』
「親父、それはどういう…」
『見ればわかる』
私は、知っているのだ。
どのように闇耳長族が護られてきたかを。
「…あーあ、こりゃダメだな…一月は起きないぞ。」
『お目覚めですか、先代様。』
「うん、こんなに直ぐ再会するとは思わなかったけどね。」
先代様は体を起こされ、頭を抱えた。
私もこんなに早く再会するなんて、思っても見なかったが。
「…どうなっているんだ?Aは眠っているはずだろう。それに先代って…」
「…まぁ驚くのも無理はないか。それにしてもこの体、よく暴走しなかったな。きっかけがあれば、ここ一帯消し飛んでるじゃん。運が良いね君たち。」
そのあともぶつぶつと呟きながら、何かを考えていらっしゃる。
つまり、説明は私の仕事か。
『…闇耳長族がどうやって種を守り続けてきたかご存知ですか?』
「いや、個体が死ねば次の個体が生まれるとしか…違うのか?」
『ええ、概ねその通りです。が、少し違います。闇耳長族が"何か"の拍子に倒れ、意識がない状態…心を閉ざしてしまい、物言わぬ傀儡と化した状態。』
「今の、Aの様な状態か?」
『…その通りだ。このように、闇耳長族が自分自身の身体が動かせない状態のときに、先代の闇耳長族が代わりに身体を動かし、脅威から逃れてきたのです。』
それに、この事はすぐにリムル殿の耳に入るだろう。
主人を守るのが私の義務だ。
それが、別人だとしても…主人の体なのだから。
『先代様、そろそろかと。』
「…あー、あのユニークスライムね。」
愚息がリムル殿に遣いを飛ばしているはずだ。
一瞬だが、あいつの影が揺れた。
先代様はどこまで話されるのだろうか。
主人の状態か…生態そのものまでか。
『先代様、リムル殿に会われる前にお召替えを。流石にその布切れはいかがなものかと。』
「んーそうか?なら、あれでいっか。」
先代様は指を鳴らした。
パチンッ
その一瞬で、布切れがドレスへと変わるのだから不思議なものだ。
「んじゃ、話すとするか。
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時