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ホワホワ ページ42

Aside

テンペスト…?私が?

そんなことしたら、みんなの命が無くなっちゃうよ。

「でも、勝手に行ったら迷惑…かける。」

「いや、これはリムル様の命令だ。お前をリムル様の元へ連れて行くというな。」

…そっか、ベニマルくんは命令でここまで来たんだ。
…そうだよね、だって…

……あれ?私なんでこんなこと考えてるんだろう。

「そっか。でもね…行きたくても行けないの。ここから出ればまた命を吸い取っちゃう。また森が死んでいく…また「そんなことない!!」……ベニマル君は優しいね。」

そんなこと言ってくれるのは、ベニマル君達だけだよ。

「俺がついてるんだ、大丈夫。何も心配しなくていい。さ、行くぞ。」

「え、ちょっと…!!」

ベニマル君は勢いよく私を抱き上げた。
私ってそんなに軽いのかな。
でも、ベニマル君の腕の中はなんだかホワホワした気持ちになる。
この気持ちが何なのかはまだわからないけど、いつかきっとわかるといいな。

「…お前、今歩けないんだろう。大人しくしてろよ。」

そう言って笑った顔を見て、なんだか胸が苦しくなって顔が熱くなった。
下を向いちゃったけど、傷つけてないよね。

私の無言を肯定と捉えたのか、出口に向かって歩き始める。
いつのまにこんなに大きくなったんだろ。
昔は私とそんなに変わらない大きさだったのに…。
なんだか、私だけ取り残されている気がするな。

「A、俺はまたお前に会えて嬉しい。またこうやってお前と喋ることができるのが、本当に嬉しいんだ。」

「…私も…嬉しい。」

その後も話していたらいつの間にか出口についていた。
楽しい時間が短く感じるのは、本当のことらしい。
外の光は眩しくて、植物の匂い…そしてその植物が枯れていくのを見ていた。

すると影から牙狼族が出てきた。
ベニマル君はその牙狼族にまたがり、私を抱え直した。

私の肩に乗っているエンロクは、ベニマル君の方をなぜかじっと見ているが、それでも…楽しみなんだ。
魔物の街…テンペストへ行く事が。

私は本当に弱くなったな…全部全部…君たちのせいなんだよ、子鬼君たち。

闇耳長族・伝記集《芽生えた気持ち》より抜粋→←瞳



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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
- この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時

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