お友達…? ページ5
あれから幾日か経ち、少女は泣くのをやめた。
顔には笑顔の仮面を被り、心を閉ざした。
まだ成人もしていない年端もいかない少女は、自分の運命を受け入れた。
そして、出会った。
『お前、何者だ。』
世界に4体しかいない、竜種に…。
「私は…A。この森に移り住んできたの。」
『A?…ほほう、闇耳長族か。我が見たときは男だったが、代替わりしたという事だな。』
「そう。でも、闇耳長族になって未だ1年も経ってない。まだまだひよっこなの。」
少女は洞窟に入り、暴風竜ヴェルドラと会った。
『我が名は暴風竜ヴェルドラ。ここに封印されて300年ぐらいか?』
「だから、この洞窟には貴方から漏れ出た魔素で溢れているのね。そう、私のスキルは竜種には効かない。1つ学んだわ。」
『我の魔素で、この洞窟には色々なもので溢れておる。欲しい物があるなら、持って行っていいぞ。』
「本当?ありがとう、ヴェルドラ。」
『今、なんと言った。』
ヴェルドラは少女の言った言葉が気に食わなかったのか、少女の事を睨む。
「え、ありがとう、ヴェルドラ。」
『我を…我を、呼び捨てにしたなぁぁあ!!!』
「ダメだった…?」
少女には叫び声が大きすぎたのか、耳を塞いだ。
「嫌ならやめるけど。」
『だ、だだだ、ダメなどではない!お前には特別に、我が名を呼ぶ事を許そう!』
「ありがとう。」
『それで…ここの物を持って行ってもいいが、たまに我の元に来て話し相手になるがいい!絶対に来るのだぞ!いいな!』
「わかった。また遊びに来るね、ヴェルドラ。」
『絶対だぞ!絶対の絶対だからな!』
少女は子供のようなヴェルドラを見て、少しだけ本当の笑みをこぼした。
そして少女は、純度のエゲツないほど高い魔鉱石を1つ持ち帰った。
少女は自分の住処に戻って来ると、魔鉱石に自分の魔素を当て始めた。
そして魔鉱石は徐々に形を変えていき、少女の両手のひらにギリギリ乗るほどの大きさへと変わった。
少女はそれを服の胸元に付け、嬉しそうにくるくると回っていた。
「お友達…私のお友達、ヴェルドラ。次はいつ会いに行こうかな…。」
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時