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妖刀 ページ34

Aside

武器屋のおじさんが持っている妖刀。
おじさん…その刀に直に持って大丈夫なのかな?

「でだ。この刀、なぜか他の客には触れねぇんだよ。」

それはそうだと思う。
おじさん…この刀、妖刀だって事知らないのかもしれない。
まぁ、普通知らないと思うけど…。

「…もし嬢ちゃんが触れるんだったら…この刀は譲ってやるよ。」

「…本当ですか?」

「男に二言はねぇよ。どうだい?」

とても嬉しい申し出だった。
闇耳長族は悪魔族にも分類される種族…妖刀に触れないなんてことはないと思う。
でも、この刀をエンロクは触れることが出来るのかが問題だ。
私にはこの妖刀を扱う事は出来ないし、私の体より長い刀をどう扱えばいいのかも分からない。

(主人よ…私はあの刀以外に欲しいものはありません。どうか…私を信じてはくださいませぬか。)

驚いた、エンロクがここまで言うのは初めてだ。
そうだよね、エンロクがここまで言うんだもの…信じてあげなくちゃ。

「おじさん…その刀私にください。」

そう言い、私はおじさんの手から妖刀を持ち上げた。
そしてこけた。

「重っ…!」

おじさんは片手で持ってたのに…!
なに?おじさん人間じゃないの!?

「あはははははっ!お嬢ちゃんにはやっぱり重かったか?それはすまない事をしたな。」

「…いえ。でも本当にくれるんですか?」

「ああ、譲ってやるよ。その刀は嬢ちゃんの物だ。」

本当に気前のいいおじさんだ…こんな小娘に妖刀をくれるんだから。

「ありがとうございます。」

「いいってことよ!」

そのあと、私はなんとかして大太刀を持ち上げ借りている部屋に戻ってきた。

部屋に着いたらエンロクを元の大きさに戻した。

『主人よ、よいのですか?』

「ええ。さあこの刀、持ってみて。」

エンロクは私に言われるがまま、刀に触れた。
すると刀がひとりでに浮き上がり、エンロクの腰紐に括りついた。
エンロクも驚いてるようで、自分の腰紐に括りついた妖刀を凝視していた。

「エンロク…よかったわね。」

「…はい。」

そんなこんなで、エンロクの武器調達は幕を下ろしたのであった。

そのあと刀について調べたところ、あの刀の名は"陰刻刀"と言うらしく、刀自体に自我があるらしい。
しかも刃の部分は紅く、刀身は漆黒というなんとも禍々しい刀だった。

結局の所、陰刻刀がエンロクのことをいたく気に入ったということだ。
それは良い事なのかは分からないが、これが事実である事は間違いない。

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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
- この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時

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