旅 ページ33
Aside
私はエンロクと森を出て、ブルムンド王国という所に来ていた。
道はきれいに整備され、市場は活気で満ちていた。
私はバレないようにオーラを遮断し、左目を眼帯で隠していた。
お金はないから、ここに来るまでに集めた薬草を薬屋のおじさんに買ってもらい、なんとか宿に泊まれるぐらいのお金を手に入れた。
もちろん、エンロクは小さくして私の肩に乗っている。
こんな所に魔物なんて居たら大騒ぎになっちゃうしね。
(主人よ、この街にはいつまで滞在を?)
「そうね…多分明後日には出て行く。長く居ても良いことはないから。」
(では明後日までは、この姿のままでいれば良いのですね。拝命いたします。)
そう言い…って言ってないけど、エンロクは私の肩を降り私が借りてる部屋を歩き始める。
そう、この宿屋何故か武器が各部屋に置かれている。しかも実戦用の物が。
エンロクは大鬼族の里で拾った刀を使っていたが、先日寿命が来てしまって折れてしまったのだ。
だから近くにあったこの街に、エンロクの武器を買いに来たってわけ。
「エンロク…明日武器屋に行きましょう。そこで新しいのを買うから。」
(ありがとうございます、我が主人よ。)
そんな話をしているといつの間にか夜になり、申し訳ないが部屋に置いてある植物の命を貰った。
本当にごめんなさい…こんな事をしないと、生きていけないから…。
あの戦場で集めたオーラ。
あれだけあれば本当は2年持つはずだった。
でも、森を出てこの街に着く頃には半分以下になっていた。
今までにないほど消費が激しい…。
そして、止むことのない飢餓感と食欲。
私は本当にどうなってしまうんだろう…このまま街を滅ぼす兵器になってしまうんだろうか。
そんな恐怖がずっと私の中で渦巻いていた。
次の日の朝…鉛のように重たい体を引きずって武器屋に来た。
その武器屋は巷で噂の鍛治士が営んでいるそうで、いいものが揃っていた。
「よぉいらっしゃい。…ん?嬢ちゃん、入る店を間違ってねぇかい?」
「いいえ、合ってるわ。父の誕生日に贈るものを探しているのよ。父親は冒険者だから。」
「へぇ、そうかい。ならこいつはどうだ?俺の店で一番いいやつだ。」
そう言い、取り出したのは一振りの大太刀だった。
「まぁ、こいつを扱えるかどうかはしらねぇが…この店で一番のやつだ。」
エンロクはその刀に釘付けだった。
それもそのはず…だっておじさんが持っている刀は…
ー妖刀ー
なのだから。
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時