闇ノ精霊【転スラ】

闇耳長族 ページ21

リムルside

俺の目の前で消えた闇耳長族は、まるで世界を拒絶しているかのようだった。
ただ、それは俺が勝手に思った感想で他意はない。

その後も少しあたりを探索したが、闇耳長族は見つからなかった。
当然だ、魔力感知や嵐牙の鼻にも引っかからなかったんだから。

だから、ほかに出来ることはリグルドや他の奴に聞くことだけ。だから俺はすぐさま村へ戻った。

そんでもって、俺が住んでるテントに知ってそうな奴を呼び出した。
リグルド、リグル。
鬼人たち全員と嵐牙。
そして、カイジン。

「えーっと。お前らに集まってもらったのは、ここ最近俺が会った闇耳長族のことについて「リムル様！闇耳長族とあったのですか？！お怪我はありませんか？！」…シオン、落ち着け。俺は何もされてない。」

「…リムル様、やはり会われたのですな。闇耳長族、Aに。」

そう答えたのはハクロウだった。

「あ、ああ。さっき森の中でな、何かまずいのか？」

「闇耳長族は近づくだけで、命を吸い取ってしまう化け物です。」

シュナはこう言うが、俺が出会ったあの女性はそんな風には見えなかったな。

「そんなにすごいのか？闇耳長族って…」

俺の言葉でみんなが黙ってしまったけど、リグルドが少し遠慮がちに口を開いた。

「リムル様、闇耳長族の逸話は色々ございますが…最近のものですと、数年前ある1つの街が1人の闇耳長族によって滅ぼされたとい話があります。それ程までに闇耳長族は危険なのです。」

リグルドの話を聞いてしまうと、少し怖くなってきたな…。でも、ベニマルとソウエイが何も喋らないなんて、変だな…。
何かあるのか？

《個体名:ベニマルと個体名:ソウエイは何かを隠している可能性が高いと思われます。自白させますか？YES/NO》

おう！それはもちろん……って、おいおい大賢者！なに物騒なこと言ってんの？！
自白ってなに？！取り調べでもするの？！

NO、NO、自白させない！あとで俺が本人にちゃんと聞くよ！

「そうか…それは少し怖いな…でもこの地に闇耳長族がいるのも間違いないんだ。みんな、警戒を怠るなよ！」

そう言って、この会議もどきは終わったんだけど…まぁ、早い話ベニマル、ソウエイとちょっっっとオハナシしたいから、その後拉致ったんだけどな！

「で、お前らは何か俺に言えないことでもあるのか？」

「「……」」

だんまりか…そんなに話したくない内容なのか？

「まぁ、無理に話せとは言わない。お前たちが話したい時に話してくれ。」

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