白と黒 ページ19
スライムが作る村の見える高い丘の上。
そこにAは立っていた。長く艶やかな髪をなびかせ、左目を閉じながら村の様子を見ていた。
「あぁ、あの子鬼君たちは生きてたんだ。お爺さんも…。
Aは嬉しそうに目を細め、村の様子を見ていた。
風の音だけが響く丘に立つ姿は、まさに死神のようだった。
「あの豚頭族の侵攻で私の力は格段に増えたけど、その分大鬼族の里が犠牲になった…私が力を得ると、どこかが被害を受ける。定め…なのかしらね。」
そして、丘に1人の訪問客が訪れる。
この丘に彼女がいるのを知って来たのか…それとも、ただの偶然かはわからない。
しかし2人は再開した。
「お久しぶりですね、お爺さん。」
「久しいの、A。随分と大きくなったのぉ…それに綺麗になりおった。」
「お世辞は結構ですよ。お爺さんは若くなりましたね。」
「そうじゃの、リムル様に"ハクロウ"の名を頂き大鬼族から鬼人へと進化したからのぉ。」
そう言い、ふぉふぉふぉと笑うハクロウはとても楽しそうだった。
それを見た彼女は寂しそうに笑い、村を見つめた。
「…お爺さん、私、この森を出て行くことになるかもしれないの…。」
「…それはどういう事じゃ?森を出て行くとは。」
「…豚頭族がこの森を狙っているの。私は、豚頭族の侵攻が止まったらこの森を出て行くわ。それがこの森にとって一番の事なんだもの。」
ハクロウはその言葉を聞き、悲しげに目を伏せた。
「お爺さん、子鬼君たち…もう大きくなってるのかな?あの2人によろしくね。会うことは無いと思うけど…。」
「承知した。Aも達者でな。」
「うん、さよなら…ハクロウお爺さん。」
そう言い、Aは黒い霧となって消えた。
その場に取り残されたハクロウは、静かに村を見つめていた。
ハクロウの視線の先には、鍛錬をしているベニマルとソウエイの姿があった。
姿形は昔よりも大きくなり逞しくなったが、雰囲気や性格、2人の関係や、2人のAを友だと思っていることは変わっていない。
そのことに気づいているのは、今はハクロウだけなのだった。
そして、村にリムルが帰って来たのを見て、ハクロウは帰路に着いた。
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時