負の連鎖と声 ページ13
Aside
引きずられたときにできた擦り傷は、とても痛かった。
風に当たっただけで、傷口がえぐられるように痛い。
でも私は引きずられるしかなかった。
歩こうとしても、重い鎖が私の足に絡みついて言うことを聞かない。
地下を出ると町が広がっていた。
町にはいろんな種族がまじりあって楽しそうにしていた。
そう、楽しそうにしていたのだ…私を見るまでは。
私を見たとたん怯えだしたり、睨みつけたり、石を投げてくる人もいた。
石が当たったところは痛かったし、擦り傷に当たってしまったときは涙が出た。
何度も[死の接吻]を発動しようかとも思った。
でも、しなかった。
してしまったら、みんなに嫌われてしまうんじゃないかと怖かったから。
そのうち大きな部屋に私は置き去りにされた。
私は動くのもしんどくて、静かに目を閉じていた。
どれだけの時間がたっただろう…1分?それとも1時間?
わからないけど、誰かが入ってきたのは分かった。
「お前が…闇耳長族さえいなければ…!闇耳長族さいなければ…!!」
そんな声が呪詛のように繰り返されていた。
時々私を蹴ったり殴ったりして…。
「妻と息子を返せ!!家族を返せ、この死神!!」
そんな声が私を攻め立てた。
家族を奪ったのは私じゃない…私じゃないけど、私が奪った。…よくわからなくなってきた。
もうすぐ、私は死ぬんだろう。
そう悟った時、知らない…だけど懐かしい男の人の声が聞こえた。
《我慢しなくていいんだよ…人間を恨んでもいいんだよ。》
誰…?
《僕はA。君の先代だ。》
そんな人が何の用…?私はもう眠いの、眠らせて…。
《いや、それはできない。君には素質がある。僕や…歴代の闇耳長族にもなかった、素質がね。僕等にはなかった素質。それを失うわけにはいかないんだ。…君は人間を恨んでもいいんだ。憎んでもいいんだよ。××てもいいんだ。そしたら道が開けるはずだよ。さあ、君の願いは何?》
何もかも壊してしまいたい…私の望ミハ、キット…
「人間なんて、大っ嫌い…私を見捨てた人間なんて、みんな××じゃえ!!」
そんなことを口にしただけで、力が溢れてきた。
そっか…闇耳長族の本来の力って…
【スキル[死の接吻]、[禁忌の大罪]を強制解放します、成功しました。これにより、半径50km内の生物の命を吸収を開始します。】
「おい、お前何をした!」
「知らない…お前たちみんな私に喰われればいいんだ!」
そう言った後、私の意識は闇に沈んでいった。
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時