絶望の始まり ページ11
いつのまにか日常となっていた大鬼族の修行。
しかし今日はいつもと違っていた。
いつまでたっても、あの3人は姿を見せなかったのだ。
それはAにとって、不幸の始まりだった。
Aside
今日…3人は、いつまでたってもこの荒地に姿を見せなかった。
だから私は今日は来ないのかと思い、ヴェルドラの住む洞窟に向かった。
あの3人が来るようになってから、あまり会っていなかったから、寂しがっているかもしれない。
ああ見えて、結構寂しがりで抜けてるところがあるから。
洞窟は少し肌寒いが、ヴェルドラの魔素が満ちていて私にとっては天国みたいな所だった。
これも最近わかった事だけど、私は竜種の魔素の濃い所とか、竜種の近くだと[死の接吻]を発動させ続けても環境に変化が無いということ。
命を奪い続けても、周りになんの変化もなく誰の迷惑にもならないという事。
それに気づいた時は、本当に嬉しくてついヴェルドラの[無限牢獄]をベシベシ叩いてしまった。
それも、いい思い出。
「ヴェルドラ、遊びに来たよ。」
『おぉ、やっと来たか!どれだけ我を待たせるのだ、早く話を聞かせてくれ!』
やっぱりヴェルドラはヴェルドラだった。私と会うのが楽しみみたい。私も楽しいけどね。
「うん、今日は最近知り合った大鬼族の人たちの話からね。」
それから私はあの3人の事を、ヴェルドラに話した。
ヴェルドラはその話を楽しそうに聞いてくれて、私も何故かはわからないけど、楽しくなった。ヴェルドラは聞き上手なのかもしれない。
「でもね、やっぱり命を奪わないと生きていけなかった。1ヶ月スキルを発動させなかったら、目眩と吐き気、その後体が動かなくなったの。その時、私の前を1匹の魔物が通ったら私のスキルが勝手に発動されて、魔物が死んじゃった。」
『それはそうであろう。お前は闇耳長族だ、命を糧に生きておる種族が命を喰らわなければ、死ぬに決まっておるだろう。アホか。』
ヴェルドラにアホって言われたくないな。
「そうかもしれないね…私はどうなりたいんだろう。」
それからもヴェルドラとの会話は続いて、洞窟を出た時にはもう夜だった。
その時に気づけばよかったのかもしれない。
私が見張られている事に。
そして"恨み"の対象であるという事に。
洞窟から出て少ししたところで、私の記憶はプツリと切れた。
それからが、悪魔の始まりだった。
今思い出すだけでも震えが止まらない。
そんな嫌な記憶……。
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あたりめ(プロフ) - 水の町さん» ネタ提供ありがとうございます!なるべく早くリクエストにお応えできるように頑張ります!亀更新ですが、気長にお待ちください。(*´罒`*) (2019年2月9日 14時) (レス) id: 3df21f0eb0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - すいません、下のコメント、変なところに「手」の文字がはいってました。間違いなので気にしないでください (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
水の町 - リクエストで、 ベニマルとソウエイが夢主にプレゼントをする→それを持ってると吸いとった命を消費して、他の生物に与えられるような力が手つかえる→それが嬉しくて力を使いすぎて夢主が倒れる→二人がめっちゃ心配する。そんなのが見たいです (2019年2月9日 10時) (レス) id: d63218b4c0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりめ(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます!「人工呼吸」聞いてみました!素敵な曲で主人公ちゃんのこと本当に思い出しました。素敵な曲を紹介してくれて、ありがとうございます。これからも頑張って執筆します! (2019年2月1日 21時) (レス) id: 809ccaf4f2 (このIDを非表示/違反報告)
N - この小説なんか好きです!もし良いのなら「人工呼吸」という歌聞いてみてください。 (名前)ちゃんのこと思い出しますよ? (2019年2月1日 20時) (レス) id: 47989a0b29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたりめ | 作成日時:2019年1月7日 18時