短編集楽しんでってよ【d!】 (ページ33)

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●一生囚われる　syp ページ33

syp目線

A『ショッピ君、おかえりなさい！』
syp｢ただいま。｣
A『…帰り、遅かったけど残業？』

Aは悲しそうに俺を見つめる。
捨てられた子犬のような、純粋無垢な瞳で。

syp｢大丈夫、仕事が長引いてもうただけやからな。｣
A『……ん、そっか…』
syp｢それとも、俺の言うこと…信じられんの？｣

Aは肩をビクッと震わせて、『違うの！』って首を振る。

…前に、俺が別れよう言うたらすごい怯えて『やだ、やめて…ごめんなさい』って言ってきた。
それだけAは俺に依存してるんだ。

A『今日も…外で食べてきたの？』
syp｢今日は弁当買ってきたから、一緒に食べよ。｣
A『！！…やったぁー！！』

syp｢じゃあ箸持ってくるから、待っててな。｣
A『はぁい』

黒い箸を持って、テーブルに戻る。
それにしても、この弁当美味そうやなぁ…

A『じゃあ、食べよ！』
syp｢…せーの、｣

syp、A｢『いただきます。』｣

俺は弁当を食べ進めていった。

目線ナシ

青年は冷蔵庫から弁当を取り、箸を１セット持ち、テーブルに戻った。
青年は、話しかける。
何もない空間に。

青年がしたことなのに、受け止めきれていないのか、まだ青年の中で彼女は生きている。

そう。
四肢をもがれて、バラバラになって冷蔵庫に眠っている彼女が。

青年は何もない空間に｢ほんまに俺のこと大好きやなぁ、Aは。｣と言うが、彼女は生前他の男性と付き合っていた。

依存しているのは、青年なのだ。

青年には元々妄想癖があった。
自分と彼女が付き合っていると思い込んで思い込んで。
その思い込みが強すぎたせいで、彼女の生前の彼氏を殺し、彼女のことも殺したのだろう。

冷蔵庫を見ても気付かない。
その彼女が食べ物を食べなくても元気なのに、気付かない。
いや、気付いている上であんな哀しい妄想に囚われているのかもしれない。

…囚われているのは、彼女なのだろうか。
それとも、青年なのだろうか。

青年は涙を一筋流した。

よく分かんない話になったな…

分からないよー！って人が多そうなので、軽く解説します。

sypはAさんと付き合っているという妄想を拗らせた。
↓
自分(syp)以外に彼氏がいるなんて許せない(いるわけない)
↓
Aさんの彼氏とAさんを殺す
↓
sypの中ではAさんは生きてる(実際は死んでる)
(sypも実は殺したのを自覚している？)

という話。

…よく分からん。