短編集楽しんでってよ【d!】 (ページ24)

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●踊れ踊れ、阿呆共　sha ページ24

A目線

sha｢…俺がやったるから、Aは帰り。鬱も待っとるんやろ？｣
A『大丈夫だよ、鬱君には明日行くからって言ってある。』

しゃおはぷくっと方頬を膨らまし、私にデコピンをしたかと思ったら、私から書類を全て奪い取る。

sha｢俺様の気遣い無駄にすんなし。｣
A『！…あははっ、素直じゃないね。ま、ありがと！今度何か奢る！』

私は会社を抜け出した。
鬱君、急に来たらびっくりするかな？

ありょ、鍵開いてるじゃん。
無用心だなあ…

A『鬱君！仕事、はやく終わったから、来ちゃ…』
ut｢え！？あ、これは誤解で…！｣

可愛い黒髪ストレートの女の子。
白い肌に、吸い込まれるような深海色の瞳。

？｢…彼女？｣
ut｢………え、あー…いや、友達。｣
？｢ふーん？｣

女の子は私を指差したあと、鬱君の返答を聞いてにやにやと嘲笑う。
まるで、面白い出来事を目の前にした子供のように。

A『…っ、ごめん、なさい…その、邪魔だったよね。もう来ないから…じゃあね！！』

バタンッと扉を力一杯閉める。
……っ、なんで。
｢もう、浮気はやめた｣って。

A『っう、ひっっ、うぇえっ…』
sha｢え！？A！｣
A『しゃ、お……』

sha｢ど、どーしたん！？とりあえずハンカチ…！｣
A『鬱君が浮気、してたのぉ……』
sha｢…！！そ、そっか。ここじゃなんやし、俺の家で話聞くで？ほら、酒も飲みながら、な？｣

2人きり…これって浮気になるのかな？
でも、鬱君もしてたんだし、しゃおは善意で呼んでくれてる訳だし、良いよね。

私は頷いた。

ut目線

？｢あーあ、泣かせた。アタシにバレないためだからって、友達…は酷いんじゃない？｣
ut｢元はと言えばお前のせいやろがい！｣

？｢は？アタシはシャオさんから｢明日鬱がデート行くらしいねんけど、洋服で迷ってるらしいから８時くらいに手伝ってあげてくれへん？｣って送られてきたから来てあげたんですけど！｣

ut｢………シャオロン？｣
妹｢え、そ、そうだけど…？｣

何か、おかしい。

…Aちゃんの仕事が早く終わった？
妹が凸って来た…しかも、Aちゃんが帰ってくる直前に？
シャオロンが妹を８時に呼んだ？
Aちゃんと同じ職場にいるシャオロン…？
誰かに仕組まれたみたいな感覚…？

全てのピースが繋がる。

ut｢…あいつ、やりやがったな。｣
妹｢え、ちょ、お兄ちゃん！？｣

俺は妹の静止も聞かずに外に飛び出した。