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優等生 tn ページ15

ある曲を元にしてます。




tn目線

俺は「優等生」という鎖に縛られていた。
でも、その鎖に縛られているのが…いや、「優等生」という立ち位置が好きだった。

先生には褒められて。友達にも、クラスメイトにも頼られて。
親からは褒めてもらえる。皆に認めてもらえるから。

でも、あいつが転入してきてからは違った。
あいつなんて、大嫌いや。


A『あっちは──』


今まで俺がしていたことを、全部Aがやっている。

A『桃瀬くん、これってどこ…?』
tn「え、あぁ…それはあっちの扉の前に置いといて。」
A『分かった、ありがとう!』

Aは軽い足取りで扉の前に向かおうとした。
が、荷物が重いのかよろよろして、転びかけてしまう。

tn「…荷物、重いんやろ?半分持ったるわ。」
A『桃瀬くん、ありがとう…!』
ut「別に、トントンでええのに。」
A『……桃瀬君は桃瀬くんだよ、鬱。』

鬱は「ほーん」と興味なさそうにして、コネシマの方へと向かう。


A『まーた、鬱サボってる…』
A『あ、ごめんね。重いよね…』
tn「…A、すごいよな。今回のテスト2位やったんやろ?」
A『1位は桃瀬君じゃん。………目標あるんだ。1位になったら…好きな─に──す─の。』

後半は何を言っているのか聞き取れなかった。



俺だって、俺だって頑張ってるのに!

何でAは鬱と一緒にサボったり、コネシマとゲームしたり、ゾムと一緒に教師に悪戯したり、ロボロと本読んでたりしてんのに、俺を越えそうなん?


俺は、遊んでる暇なんてないくらい、勉強してんのに。

A『桃瀬君?大丈夫?顔色悪いよ…無理しちゃダメだよ。』
tn「俺の気も知らんで。」

小声で呟く。


A『え?』
tn「何でもないで。俺は大丈夫。」
A『…なら良いんだけど。本当に無理しないでね?皆心配するから…』


tn「俺が運んどくから、後はええよ。荷物渡して?」
A『あ……うん…』
tn「……」


Aさんは逃げるように俺から離れる。
俺は早足で扉の前に向かい、荷物を扉の前に置く。


tn「っ、あー、ムカつく…」

プラスチックの入れ物を乱雑に蹴る。


ut「どうしたん?」
tn「…別に。………どっかのサボり魔さんにムカついてただけやし。」


鬱は俺やんな…みたいな顔をしてそそくさとロボロの方へ向かう。
俺の脳裏に『桃瀬くん!』なんて、笑顔で呼びかけてくるあいつの顔が過る。


tn「チッ、気ぃ悪いな…」

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作者名:闇の塩分 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/egg/  
作成日時:2022年10月7日 13時

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