彩と従兄弟と二人きりのクリスマス

７ ページ8

車のエンジン音がする。
あれ、早いな。出発時間まで結構あるんだけど。

「もう出るのか？早いな。」

「ね、じゃぁ行こっか。」

「そうだな。」

私としょうちゃんは立ち上がり、荷物を持って部屋を出ようとした。

「…あれ？」

ドアを開けようとしてたしょうちゃんが不審な声を上げる。

「どうしたの？」

「開かないんだ。」

「…え？」

「ドアが、開かない。」

はっ！？

「開かないって…どーゆーこと！？」

「分からない。…でも、このままじゃ出られない」

えぇっ！？
それ、とても、ヤバい気がするんだけど……。

「どうしたらいいのかな…。」

「このままじゃ決定的に外に出られない。」

電話…って言いたいところだけど、電話は一階。
かけられない！

あ、しょうちゃんは！？

「俺…スマホあるけど充電ないんだよ。まだ時間あると思って、ここでさせてもらおうと思ったんだけど…、」

じゃ、早くしようよ！

「あいにく…充電器が、ない。」

ええっ！
それ、どーするの！？

「あぁ、こんな時に限って…

多分、車に乗ってる、やべ。」

わーん、どーしよう！？

８→←６ 奈子side

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す